不動産トピックス

クローズアップ 土壌汚染対策編

2006.10.16 17:54

シーリングソイル協会 重金属による汚染土を基準以下に改良 自然界の機能と反応を利用 自然状態で効果は半永久的
 シーリングソイル協会(東京都江戸川区)は、重金属汚染土改良技術シーリングソイル工法で10年以上の実績を持っている。
 同工法は、天然鉱物資源がもつ機能と反応を利用して汚染土壌中の重金属などを地化学的に封じ込め、環境基準数値以下に解消する技術である。天然鉱物資源を改良材にしているため、低コスト・低負荷と高品質を同時に実現したもの。画期的な改良工法と高い評価を得ており、各地の公共事業や民間事業などで採用されているという。
 平成14年5月に施行された「土壌汚染対策法」の後でも、含有基準以下で環境基準を超える重金属など汚染土壌の改良には大いにコストパフォーマンスを発揮するとのこと。
 主な特長としては、対象土量とヤードの広さに合わせて適切な機材を配置し、移送・隔離処理などがないため掘削・場外搬出費の3分の1~2分の1程度の処理費で済み、セメント固化法や科学的固定化のように人口物質による環境への新たな負荷がほとんどなく、天然鉱物資源がもつ吸着・イオン交換および新鉱物相形成という自然界の機能と反応を利用するため、通常の自然状態では効果は半永久的であるという。
 また、重金属など全般に対応可能であるため重金属類の複合汚染にも同じ改良材と施工法で改良ができ、物理的・化学的に「土」の性状を維持するため植栽や重機工作への影響がなく現地の施工で機械的な撤去や移送は行わないため汚染を拡散する確率は低いとのこと。
 「土壌汚染は自然発生することもあります。ですから、施工をいかにお金をかけずに済むかがポイントになってきます。当協会の工法はコストが安く低負荷であり高品質なのでお勧めです」(理事長 和田信彦氏)

DOWAエコシステム 化学物質による汚染源を浄化 土壌浄化と汚染地下水の拡散を同時に防止
 DOWAエコシステム(東京都千代田区)とエコシステムエンジニアリング(東京都千代田区)は、VOC汚染源対策DIM工法とPRB工法を共同で開発し提案している。
 同工法は土壌浄化用の特殊鉄粉を直接地中に混合し、原位置で有機塩素化合物による汚染土壌を浄化する方法である。鉄粉を汚染土壌に均一かつ効果的に混合することが可能であるという。原位置で深部(地下60mまで可能)の汚染源に直接アクセスして浄化するほか、所定の鉄粉量を乾式で供給できるため施工後に地盤の軟弱化が起きにくいとのこと。掘削せずに根本的に浄化するため、土留め工が不要となり大幅なコストダウンを実現可能などの特徴がある。
 また、汚染地下水の下流に透過性の反応壁(PRB)を設置し、汚染地下水の拡散防止を行うVOC拡散防止対策であるPRB工法を併用することで包括的な浄化ができるとのこと。
 PRB工法は地下水の自然流速を利用し壁内でVOCを分解させる浄化技術であり、メンテナンスフリー(主要な作業はモニタリングのみ)で地下水の自然な流れを妨げないで確実な拡散防止対策を行うという。地下40mまで設置可能で深部に達した汚染地下水にも対応可能で、確実な拡散防止対策が図れるとのこと。
 「DIM工法で有機塩素化合物による土壌を浄化し、PRB工法で汚染地下水の飛散防止を行います。この2つの工法を組み合わせることでVOC対策を中心に提案しております」(ジオテック事業部 副課長 江藤宏樹氏)

ハザマ VOCで汚染された土壌を浄化 注入・攪拌の2種類で処理 CI剤の利用で地盤を清浄
 ハザマ(東京都港区)は揮発性有機化合物汚染土壌を浄化する「DOG工法」を開発した企業だ。
 同工法は、鉄の微粒粉末を含む懸濁液CI剤(鉄粒子を含む浄化剤)を地盤に注入することで、土壌や地下水に含まれている揮発性有機化合物(VOC)を分解し無害化する浄化工法である。
 注入DOG工法は通常の薬液注入を使用し汚染された地盤中にCI剤を注入する工法である。稼働中の工場などへの対応が可能だという。
 通常のボーリングマシンにて掘削を行い、薬液注入ポンプにより注入が可能で、大規模な掘削を必要とせず排土が発生しないため、汚染が局所的な場合においてはピンポイントで注入できるという。また、既設構造物下へ斜注入が可能であるとのこと。
 攪拌DOG工法は、浅層・深層混合攪拌処理工法により汚染された土壌とCI剤を強制的に攪拌する工法である。建屋が解体された状態での確実な浄化処理を行うことが可能だ。
 強制的に土壌とCI剤を攪拌混合する方法で、透水係数の小さいローム層や粘土・シルト層にも適用可能であり、軟弱地盤対策用の施工機械を使用するため、対象となる深度・地盤の強度などに応じて最適な施工機械を選定するという。

国際航業 簡易リスク評価のサポート業務開始 土壌汚染を残置した土地活用を支援
 国際航業(東京都千代田区)は土壌汚染リスク評価することで開発業者が完全浄化をしなくても積極的な土地活用が行えるようにサポートするサービスを11月1日より開始する。
 同サービスは、同社のこれまでの土壌・地下水環境のコンサルティングの実績や環境修復技術のコーディネートの経験に基づいて完全浄化が困難なサイトにおいて残置される土壌汚染リスクを把握し、周辺地との調和が取れた土地活用を円滑に行うことを支援するものである。
 最初にユーザーが抱えるサイトについて、汚染物質と濃度分布、地質・地下水流動など提供してもらった情報から土壌汚染を残置したまま開発することが可能かどうか、簡易リスク評価(スクリーニング)をする。
 次に簡易リスク評価で開発が可能と判断されたサイトに対して、開発計画に基づく詳細なリスク評価を実施し残置した土壌汚染に起因して「人の健康への影響が発生する恐れが生じない」、「計画されている開発計画に影響が生じない」の2点を前提に管理計画を策定する。
 さらに土壌汚染を残置した場合の土壌汚染対策費用の具体的な削減効果について算定を行うという流れだ。
 同社では今後、「策定された管理計画に基づく必要な措置の施工」、「一定期間のモニタリング」、「土壌汚染を残置したことに起因する損害への対応」の3つを視野に入れた事業展開を検討しているとのこと。
 価格についてはサイトごとに提供できるソリューションが異なるため別途相談となっている。  

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