不動産トピックス

過熱する投資市場の現場から

2006.07.03 17:21

【新規上場】ジャパンエクセレント投資法人 上場初値54万円、公募価格を上回る順調なスタート 主要投資対象は都心6区のオフィスビル
 ジャパンエクセレント投資法人(東京都港区)は、6月27日、東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場した。
 同投資法人に資産運用会社、ジャパンエクセレントアセットマネジメント(東京都港区)は、興和不動産、第一生命保険、積水ハウスからなるコアスポンサー企業に加え、みずほコーポレート銀行、みずほ信託銀行、第一ビルディング、相互住宅、モルガン・スタンレー・プロパティーズ・ジャパンの出資を受けている。また、これらのスポンサー企業以外に、同投資法人の上場に際して、みずほ証券を主幹事証券会社とし、またみずほ総合研究所、都市未来総合研究所との間で調査業務委託契約を締結するなど、みずほグループの多面的な機能も活用して資産運用を行うこととなる。
 投資対象地域については、オフィスビルの市場規模が大きく、稼働率も高い東京都心6区を主たる投資対象地域とし、次に大都市圏でオフィスビル集積度、賃料水準が他の都市に比べて高い大阪市・名古屋市・福岡市の各中心部、そして都心6区を除く、東京都及び東京周辺地域(神奈川県、埼玉県及び千葉県)に重点的に投資。物件の種類については、オフィスビルが90%以上、商業施設・住宅については10%以下としている。
 現在の運用資産は14物件(取得額合計は983億1600万円)で、平成8年9月竣工、地上17階・地下3階建て、延床面積15万5788・75㎡の店舗・事務所複合ビル「大森ベルポートD館」、昭和63年4月竣工、地上21階・地下3階建て、延床面積3万1009・62㎡のオフィスビル「興和川崎東口ビル」(取得価格109億7600万円)など、都内に10物件、神奈川県に3物件、名古屋市に1物件となっている。
 上場にあたって運用を開始した物件の取得先は基本的に、資産運用会社であるジャパンエクセレントアセットマネジメントの株主である興和不動産が出資を行っている特別目的会社となっており、スポンサーとのパイプが活かされている。
 なお、上場初日は、公募価格の52万円に対し、54万円の初値が付くなど順調なスタートとなった。

【リスク回避】クレッシェンド投資法人 グレファス上石神井を取得 引渡し条件が満たされ予定通り引渡し受ける
 クレッシェンド投資法人(東京都港区)は、「グレファス上石神井」を9億5000万円で取得した。
 西部新宿線「上石神井」駅徒歩約8分に位置する、平成18年5月竣工、地上8階建て、延床面積1964・82㎡の店舗・住宅複合物件である。
 同物件は、同投資法人が竣工前に、物件取得先であるシーズクリエイト(東京都渋谷区)と売買契約を締結していたもの。竣工前物件特有の空室リスク等を回避するため、1階の店舗部分並びに、2階から8階までの全63戸のうち、44戸の住居部分につき、売主との間で別途合意した募集賃料に等しい金額以上を賃料とする合理的に満足する内容の賃貸借契約を賃借希望者との間で締結すること、という引渡し条件を設定していた。
 今回その引渡し条件が満たされたことで、予定通りに物件の引渡しを受けることとなった。
 なお現時点での稼働率については77・74%。月額賃料は427万5250円だ。

ニューシティ・レジデンス投資法人 ニューシティレジデンス森下ウエストを取得 平成19年5月竣工予定 延約1700㎡の共同住宅
 ニューシティ・レジデンス投資法人(東京都港区)は、大和ハウス工業(大阪市北区)より「ニューレジデンス森下ウエスト(仮称)」を8億1000万円で取得すると発表した。
 同物件は都営地下鉄新宿線・都営地下鉄大江戸線「森下」駅徒歩約3分に位置する、平成19年5月竣工予定、地上11階建て、延床面積1682・15㎡の共同住宅である。
 物件の所在エリアは、マンション・事務所等が混在する地域で、都心への交通利便性に優れていることから、近年では単身者向け住宅エリアとして注目されている。その中で「森下」駅は2路線が利用可能なほか、「新宿」駅まで約18分、「汐留」駅まで約13分と交通利便性が高く、利便性を志向する都心通勤者の底堅い賃貸需要が期待できる。また、内装・設備仕様において高級化を志向する新築物件であるため、中長期的に物件競争力が維持できると同投資法人は物件取得にあたり評価した。

日本ホテルファンド投資法人 蒲田エリアのホテル2物件を取得 物件取得総額は23億3500万円
 日本ホテルファンド投資法人(東京都港区)は、資産運用を開始するにあたり、規約に定める資産運用の対象及び方針に従い2物件を取得した。
 「蒲田第1NHビル(ビスタホテル蒲田)」は平成4年1月竣工、地上9階・地下1階建て、延床面積3831・80㎡のホテル・ビジネスホテルで、取得価格は15億1200万円。また、「蒲田第2NHビル(ホテルアーバイン蒲田アネックス)」は、平成15年4月竣工、地上12階建て、延床面積1499・87㎡のホテル・ビジネスホテルで、取得価格は8億2300万円となっている。
 なお、物件取得先については、「蒲田1NHビル」がワイナ、で「蒲田第2NHビル」がカマニ。両社共に、同投資法人の資産運用会社、ジャパン・ホテル・リート・アドバイザーズの株主であるキャピタルアドバイザーズが出資を行っている特別目的会社である。

イーアセット投資法人 「仙台川内マンションPJ」を24億5000万円で取得 開発中の大型共同住宅学生賃貸ニーズを意識
 イーアセット投資法人(東京都千代田区)は、「(仮称)仙台川内マンションPJ」をアイショウ(仙台市青葉区)より、24億5000万円で取得すると発表した。
 同物件は、JR東北本線「仙台」駅より西方約2kmに位置する、平成19年3月竣工予定、地上9階建て、延床面積9735・81㎡の共同住宅だ。
 商業中心地へはバス園だが、東北大学等の教育施設までは徒歩圏にあり、学生等の比較的安定した賃貸需要が見込まれる立地となっている。
 建物は1Kタイプが中心で、集会室、ラウンジ等の共用部分の充実に加え、各専有部分においては、テレビインターホン、IHクッキングヒーター等の昨今の学生の賃貸ニーズを意識した設備・仕様。周辺にある同タイプの物件と比較して規模が大きく、エントランスのデザインにも配慮した一定のグレードを有する物件のため、安定したテナントニーズを見込んでいる。

原弘産 神戸ガスビル取得でポートフォリオ拡充 出資金額は47億2200万円 分配収入年3億円を見込む
 原弘産(福岡県下関市)は、特定目的会社であるニューハーバー・プロパティー・ホールディングスの匿名組合員であるシンバシ・クレジット・マネジメント・カンパニー・リミテッドと匿名組合員地位譲渡契約の締結及び、ニューハーバー・プロパティー・ホールディングスが新たに追加募集する匿名組合出資を引き受けた。
 同匿名組合の資産運用の基本方針及び投資対象に基づき、ポートフォリオに占める関西圏の物件及びインカム型資産の拡充が目的だ。
 取得物件は「神戸ガスビル(通称)」で、出資金額は47億円2200万円。なお、今回の出資による、匿名組合からの分配収入を年間約3億円見込んでおり、今期分(18年7月から19年2月)について約2億円前後を予定している。

SBIキャピタルソリューションズ オーズ・インターナショナル 事業再生の可能性十分と判断
 SBIグループでメザニン投資及び企業再生ファンドの運営会社であるSBIキャピタルソリューションズ(東京都港区)は、平成18年6月21日に福岡地方裁判所に民事再生手続を申し立てたオーズ・インターナショナル(福岡市博多区)の事業再生を支援するDIPファイナンスとして、SBIメザニンファンド2号投資事業有限責任組合、及び首都圏企業再生ファンド投資事業有限責任組合を通じて、極度額5億円の融資枠を設定することを決定した。
 オーズ・インターナショナルは、オムライス専門店「おむらいす亭」、てんぷら「あげてんや」など約100店を、大規模SCのフードコートを中心に全国展開中。このことから、SBIキャピタルソリューションズは、事業再生の可能性は十分にあると判断した。

クリード・オフィス投資法人 取得後リニューアルを予定 賃料・稼働率の上昇見込む
 クリード・オフィス投資法人(東京都千代田区)は、「MY仙台ビル」をサンシティ(仙台市青葉区)より、7億8694万3445円で取得した。
 同物件は、JR東北本線「仙台」駅徒歩約5分に位置する、地上8階・地下2階建て、延床面積3696・53㎡の共同住宅である。
 同投資法人は、取得後速やかに外壁、エントランス、各階共用部等についてリニューアル工事の実施を予定。リニューアル工事を施すことで、結果として成約賃料水準及び稼働率が上昇し、物件価値が向上するものと見込んでいる。
 取得価格は鑑定評価額を上回っているが、同リニューアル工事の効果を見込んでいることによるものだ。また、仙台の主要オフィスエリアである青葉通及び東二番丁通から至近の南町通に面するという利便性の高い立地、そして物件周辺では今後大規模再開発計画も予定されており、エリア全田の街並みの魅力も高まるという点を評価した。

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