不動産トピックス

クローズアップ 入退室管理編

2006.06.19 15:53

日立情報制御ソリューションズ 指を入れてから開錠まで0.8秒 静脈情報は外から見えず偽造困難で指をかざすだけの非接触で高い利便性
 日立情報制御ソリューションズ(茨城県日立市)が販売する「指静脈入退室管理システムSecuaVeinAttestor」は名前の通り、指の静脈の情報を検知し、認証を行なう端末だ。発売開始は3年前だが、セキュリティ意識の高まりなどの背景から、今年度は前年比2倍の売上を見込んでいる。
 生体認証の分野で現在、大きなシェアを持っているのが指紋での認証だといわれる。その指紋認証と比べると、静脈は外から見ることができないので偽造のリスクが低い、また身体内部の情報での認証のため、肌荒れやしもやけといった健康状態に多少変化があっても対応できるといった長所がある。
 写真の製品は、読み取り機とテンキーを組み合わせたもの。指を入れ、奥のボタンを押すだけ、センサーには直接触れる必要がない非接触式となっている。指を入れてから認証を受けるまで0・8秒、認証されてるといった感覚なく開錠される。
 静脈情報は通常、認証コントローラーで管理されている。ただ、情報を提供したくない人のためのシステムとしてICカードに静脈情報を入れ、指とICカードで認証する端末も追加で販売した。

沖電気工業 認証時間が1秒以下の虹彩認証 端末に直接触れずに認証130万円の低価格実現
 沖電気工業(東京都港区)が販売する虹彩で個人認証を行う、全自動撮影型アイリス認識装置「アイリスパス-M」は、認証時間が1秒以下と、認証場面でのストレスを感じさせない環境を実現している。認証は非接触で行なう。30〜60㎝の距離に立てば、内蔵のカメラが自動で本人の情報を検出し、認証する。この間が1秒である。また、高さは55㎝の許容範囲を持ち、地上140㎝に設置すれば、身長134㎝から189㎝の人に対応できる。
 生体認証にはいくつかの方法がある。虹彩を利用した認証は、精度が高い。指紋などに比べパターンが複雑であるためだ。しかし、虹彩での認証は他の生体認証より高価であるため、導入の分野が限られていた。
 今回、同社では電子錠を除く最小構成で130万円に設定、入退室など含め広く需要を期待している。

三菱電機 深い皮膚のところの指紋情報で認証 指の状態で左右されやすかった指紋認証の課題解決
 三菱電機(東京都千代田区)が販売する「三菱指透過認証装置」は、これまで一般的であった指の表皮の指紋情報を検出し認証するのではなく、内部の真皮層までの指紋情報を検出する方式を採用している。表面の指紋情報を利用した認証の場合、乾燥した指や汗ばんだ指をかざした場合、認証が難しいといった課題があった。
 同製品ではこうした状態の指からでも情報を検出し認証が可能となり、安定した認証を実現した。
 これは安定した運用だけではなく、人の指と偽造の指をきちんと判別することができるなど、高いセキュリティ効果を発揮する。
 また、センサー部分に触れる必要がない非接触方式のため、快適な環境で利用することができる。

富士通 手のひらの静脈情報を利用して認証 高精度の認証を実現 非接触で高い利便性
 富士通(東京都港区)の「手のひら静脈認証入退室管理装置」は、最小構成が50万円を切る。静脈での認証装置の導入を検討した場合、課題の1つとなるのがコストだが、同製品は他の生体認証に比べても、導入しやすい価格になっている。
 静脈という体内の情報を利用して認証を行なうため、情報を盗まれて、偽造されるといったリスクが低い。手のひらを利用するため情報量が多く、パターンも複雑であることから認証精度が高い。また、手のひらの中には太い静脈があることから、気温の変化によって血管が収縮して認証しにくくなるといったことがない。このため安定した運用を実現している。
 手のひらの静脈認証では世界初の非接触式を開発。利用者は手を置くだけと利便性が高い。認証の時間も1・5秒とスムーズである。なお、同製品は富士通フロンテックでも販売している。

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