不動産トピックス

クローズアップ 地震対策編

2006.04.17 11:11

川口テクノソリューション 動画で確認できるアドバンス制震装置 実大実験で高い信頼性を確保
 川口テクノソリューション(埼玉県川口市)が提供している「アドバンス制震装置」の実大実験では、ダンパーの最大速度が45㎝/sを越える実地震波や正弦波(1〜3Hz)による動的加振実験を行っている。
 具体的には、実大の接合部に対し圧縮荷重・引張荷重を与えて、接合部材やピンシャフトなどの強度を確認している。また、実験だけでは把握できない荷重条件などの確認については、FEM(有限要素法)による解析を行う。
そして、これらの実験から得た結果により、摩擦ダンパーKFシリーズを開発した。
 主な特徴としては、減衰力の調整、摩擦ダンパー特有の履歴特性、速度や温度に依存しない性質、全長を短く設定可能でマンサード配置への対応が容易、メンテナンス不要といったものが挙げられる。
 なお、アドバンス制震装置の商品構成は2シリーズ6タイプとなっており、上下左右の反転も可能なため、設置形態は16タイプが揃う。
 300シリーズのオイルダンパーの減衰力は、200〜300kN、500シリーズの減衰力は、300〜500kNである。設置タイプには、1枠1基設置と2基設置から選ぶことができる。

国際アピール 震緩衝機能付ドアに改修 既存ドア活かし機能を向上
 国際ピーアール(茨城県岩井市)では、スチールドア用の対震緩衝装置「スーパーレスキュー」を提供している。
 これは、事務所などの既成スチールドアを、対震緩衝機能付きのドアに変えるものである。これを用いることで、震度の高い地震が発生した場合でも、ドア枠が変形して開放不能となる状態を防ぐ効果が期待されるという。
 具体的には、薄いジルコニア系セラミックの片板をドア枠とドアの隙間に接着させる。これだけで、地震による衝撃・圧迫によるドアの閉鎖をやわらげる効果があるのだそうだ。ドアの美観を損なわずに低コストで施工でき、取り付け時間も約30分程度と手軽に始められるのも魅力となっている。

日軽産業 耐震・免震のハイブリッド構造 全メーカーフレーム対応可能なマルチアタッチメントシステム
 日軽産業(静岡県静岡市)では、防煙垂壁の耐震・免震機能のある防煙システム「FXWALL‐P」及び「FXWALL‐PR」を提供している。従来のガラス防煙垂壁でガラスの端部をシールなどで固定し、地震発生時の層間変位を逃すことができなかった構造を見直し、「P」及び「PR」どちらの製品においても、大きなクリアランスを確保するよう対応している。
 また、ガラスの掛かり代が数ミリと少ないことで波状に伝播した振動を支えきれなかった部分の見直しとしては、ガラスを1枚ずつ独立・分離させた上で三方をアルミフレームで保護し、ガラスに直接応力がかからないよう工夫した。
 「P」及び「PR」へのリニューアルは、メーカーを問わず行うことができる。防煙垂壁のガラスのみ撤去しての改修も可能だ。

光陽精機 安定性のある高性能抑制振デバイス 地震・風振動を吸収振動エネルギー低減
 光陽精機(千葉県船橋市)は、地震・風振動を効率よく吸収する制振用の「KYオイルダンパー」を販売している。
 本商品は、バイリニア特性を採用しており、微振動から大地震までを適切に判断し、リリーフバルブを作動させることができる。そのため、安定した減衰性能が得られるしくみとなっており、信頼性を高める効果もある。また、アキュムレータ(蓄圧器)を内蔵することで、応答性能にもその安定性を確保。
 そのほか、両ロッドタイプ構造の採用により押し引きの履歴特性が同じであることや、高粘土指数オイル採用により外気による温度依存性が少なく、厳しい環境下にも耐えられるといった特徴もある。
 さらに、外周には突起物をつけず、機能部品をすべて内蔵化した。

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