不動産トピックス

過熱する投資市場の現場から

2006.02.20 12:57

<J・REIT新規上場>ジャパン・ホテル・アンド・リゾート投資法人 ホテル・リゾート施設特化型リート誕生 6物件を約730億円で取得し、運用開始
 ジャパン・ホテル・アンド・リゾート投資法人(東京都渋谷区)が2月15日、東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場し、資産運用開始にあたり6物件を取得した。
 同投資法人は、ホテル、リゾート施設等を投資対象資産とし、資産運用に関しては、ゴールドマン・サックス・グループ及び森観光トラスト(東京都港区)の出資を受けるジャパン・ホテル・アンド・リゾート(東京都渋谷区)が行う。
 なお取得した物件は、以下の通り。①JR阪急・阪神線「三宮」駅より車で約8分に位置する、平成7年7月竣工、地上14階建て、延床面積4万8701・82㎡のシティホテル「神戸メリケンパークオリエンタルホテル」(取得価格114億円)。②JR線「新浦安」駅徒歩1分に位置する、平成7年5月竣工、地上12階・地下2階建て、延床面積4万4833・11㎡のシティホテル「新浦安オリエンタルホテル」(取得価格は194億円)。③JR・近鉄・南海線「難波駅」徒歩3分に位置する、平成8年3月竣工、地上9階・地下1階建て、延床面積1万9364・33㎡のビジネスホテル「なんばオリエンタルホテル」(取得価格167億円)。④那覇空港から車で約60分に位置する、平成6年6月竣工、地上10階・地下1階建て、延床面積3万8024・98㎡のリゾートホテル「ホテル日航アリビラ」(取得価格197億円)。⑤JR線「奈良」駅徒歩4分に位置する、平成12年3月竣工、地上7階建て、延床面積5385・82㎡のビジネスホテル「奈良ワシントンホテルプラザ」(取得価格18億円)。⑥福岡市地下鉄「中州川端」駅徒歩4分に位置する、平成7年3月竣工、地上12階建て、延床面積5692・24㎡のビジネスホテル「博多中洲ワシントンホテルプラザ」(取得価格38億8000万円取得)。総額は6物件で728億8000万円だ。
 上場日当日は、発行価格52万円に対し、初値59万8000円となり、好調なスタートとなった。

日本ビルファンド投資法人 新川崎ビルディングの共有持分30%取得 売主は三井不動産他1社 物件売却取得は203億円
 日本ビルファンド投資法人(東京都中央区)は、「新川崎ビルディング」の共有持分30%を取得すると発表した。
 同物件は、JR横須賀線・湘南新宿ライン「新川崎」駅徒歩5分、平成元年5月竣工、地上31階・地下2階、延床面積13万8485・98の事務所・店舗複合ビルだ。
 同投資法人は、「新川崎ビルディング」について、新川崎以外にJR南武線「鹿島田」駅など、2線2駅が利用できることから、東京都心、「川崎駅」「横浜駅」等の周辺中核都市へのアクセス性に優れ、近隣エリアでは、第一種市街地再開発事業が計画されているなど、今後、新川崎駅前の整備が進み、ポテンシャルの向上が期待できる立地とみている。また、建物についても視認性の高い31階建ツインタワー、基準階約380坪の整形フロアからなる大規模超高層ビルであり、競争力の高い物件と評価した。
 なお、物件取得先は、三井不動産(東京都中央区)他法人1社で、取得価格は203億円だ。

ラサールインベストメントマネジメント 「イオン浜松志都呂ショッピングセンター」取得 アジア太平洋地域不動産特化型ファンドに組入れ
 ラサールインベストメントマネジメント(米国イリノイ州)は2月16日、「イオン浜松志都呂ショッピングセンター」を、イオンモール(千葉県千葉市)より、170億円で取得した。
 同物件は、JR線「浜松」駅からバスで約25分に位置する、平成16年8月オープンの地上5階・地下1階建て、延床面積約6万5322からなる大型ショッピングセンターだ。
 同社は、取得にあたり、「ジャスコ」、「スポーツオーソリティー」、「エイデン」といった150の店舗が入居するテナント構成、集客力、売上高など、静岡県最大のショッピングモールということを評価した。なお、同物件はアジア太平洋地域不動産投資に特化したファンド「ラサールアジアオポチュニティーファンドⅡ」に組み入れる。同ファンドの運用資産規模予定は3000〜4000億円で、うち約60〜70%は日本の不動産に投資する予定だ。

アパマンショップネットワーク 全国ネットワークを活かす同コンセプトでシリーズ化 住居系不動産を対象の新ファンド ASDレジデンシャルツーを組成
 アパマンショップネットワーク(東京都中央区)は、住居系不動産を対象とした新規ファンド「ASDレジデンシャルツー」(仮称)の組成・運用を開始する。
 同ファンドは、同社がこれまで培ってきたフランチャイズ事業における全国ネットワークが有する、情報・システム・知識、そして同社が蓄積した不動産開発・流動化に関するノウハウを融合した商品となる。
 強みは、全国ネットワークからの情報をもとに、投資対象物件を選定することによる全国に分散されたポートフォリオを構築できること。また、賃貸マーケットからの声を反映して、顧客ニーズに合致した物件の開発を行い、収益変動リスクを軽減することが可能なこと。そして、同社プロパティマネジメント事業にて物件を一括管理して、物件のポテンシャルを最大限に引き出す、維持管理が可能なことだ。
 今後、総額300〜500億円規模で、同コンセプトのファンドをシリーズ化する予定である。

シャディ 「銀座シャディビル」を売却 譲渡価格坪1億3000万円グループ内不採算事業を一掃
 シャディ(東京都中央区)は、同社のフラッグシップビルとして運営してきた「銀座シャディビル」を売却すると発表した。
 同物件は、JR「新橋」駅徒歩4分、東京メトロ「銀座」駅徒歩4分に位置する地上10階・地下1階建て、延床面積1916・35㎡の商業ビルだ。
 同社は、同ビル1階〜6階を、新ブランド事業として立ち上げた直営店舗「Della&James(デラアンドジェームズ)」銀座」および店舗事務所とし、地下1階と地上7階〜10階については賃貸してきた。しかし、新ブランド事業の運営形態については、事業採算性及び資産としての利回り等の観点から、大きな課題を抱えていたため、今回「経営資源の選択と集中」の一環として、譲渡することとなった。
物件譲渡先はプライムリテール(東京都千代田区)で、譲渡価格は95億円だ。
 今回の固定資産譲渡につき、25億8800万円の譲渡益が発生するが、同社の海外事業のほか、グループ内における事業の重複や非効率な面が見られる案件に要する費用として約12億円を超える事業再構築費用を特別損失として見込んでいる。今回の譲渡益を特別損失に充てることで、今年度にはグループ内不採算事業を完全に一掃し、同社連結の収益性を大幅に強化する方針だ。

リサ・パートナーズグループ 再生モデル第一号案件 ホテルアローレを取得
 リサ・パートナーズグループ(東京都港区)は、「ホテルアローレ」を取得した。
 同物件は、JR北陸線「加賀温泉」駅から車で10分に位置する、スパ、温泉、結婚式場の他、テニスコート、等の施設を備えた客室130室の本格的リゾートホテルだ。
 過剰債務等の問題を抱えていたことから、その魅力を最大限に引き出す有効な手段をとれない状態が続いていたという。
 今後はグループ内企業であるグッドリゾート(東京都港区)が、再生手法を用い、ホテルのポテンシャルを引き出し、運営改善を図る。
 同社グループは、これまでも、栃木県日光市の「日光金谷ホテル」や、石川県加賀市の「矢田屋」など、ホテル・旅館の再生支援を行ってきているが、今回の案件は、同社がホテルを所有し、グッドリゾートが運営改善を手掛けるという再生モデルの第1号となる。

<企業動向>ながの東急百貨店 保証金回収図り、賃借物件を競売にて取得 落札価格は17億1000万円
 ながの東急百貨店(長野県長野市)の同社連結子会社である北長野ショッピングセンター(長野県長野市)は、かねいち(長野県長野市)が所有していた土地(6549・39㎡)・5階建て、店舗・駐車場用建物(2万4203・52㎡)を17億1000万円にて取得した。
 同物件は、かねいち所有の土地及び建物を店舗として賃借し、営業を行っていた店舗物件である。
 土地及び建物の賃貸借契約に基づく賃料の減額の合意に関して、同社及びかねいち双方の見解の相違から、未払賃料の支払をめぐり、訴訟にまで発展したこともあった(昨年8月、東京高等裁判にて、かねいちの請求棄却)。
 同社は同物件が、長野地方裁判所民事部において競売に付されたことに伴い、北長野ショッピングセンターは、入札に参加した形だ。
 入札の結果、長野地方裁判所民事部より当該物件の売却許可決定を受けた同社は、競売に係る所定の手続きに従い、買受代金を納付し、同物件の所有権を取得することとなった。今回の取得により、同社と賃貸人かねいちとの賃貸借契約の解消による収支構造の改善と、同社の持つかねいちに対する差入保証金の確実な回収を図る。
 なお、今回の物件取得による平成18年1月期及び次期以降の同社連結・個別の業績予想に与える影響については現在集計中であり、詳細が固まり次第通知するという。

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