不動産トピックス

不動産管理新潮流

2006.01.30 11:18

<PM会社の戦略>シーエンス 施設の管理仕様を分析して適正コスト化を実現 CMから省エネ診断 デューデリまで
 平成7年に設立されたシーエンス(横浜市港北区)は、プロパティマネジメント(PM)を核としたソリューションサービスを提供している。
 「PMというとファンド型PMが一般的ですが、当社では施設維持管理業務における費用対効果の検証を行い、資産価値を極大化するPMを実施しています」(大木氏)
 一般的に利回りを優先する不動産ファンドから受託するPMは、ある程度の予算・コスト削減目標が決まっており長期的な視野での施設マネジメントを行いにくい傾向にある。シーエンスのPMは設備・清掃管理、警備サービスおよび外注先への現行仕様の検証と評価を行うことで現状を分析し、その結果に基づいて目標とする品質、費用対効果を最大化する仕様を作成、業者選定のメニュー構築を行うことで適正コストを実現する。3割以上の無駄な費用をカットした事例も多いそうだ建物診断と長期修繕計画、予防保全、建物維持保全計画も策定することで資産価値を低下させない配慮も行う。同社ではこのサービスを「サーベイランスサービス」として展開している。
 「我々の顧客は長期的にビルを保有する大手ディベロッパーや病院、学校、ホテルなど大型施設のオーナーが中心です。施設の規模が大型になればなるほど運営・管理コストの削減のめりとは大きなものになりますが、安易にコストカットを行ってしまうと資産価値の著しい低下を招きかねません。コスト削減と資産価値の維持・向上にはデータに裏打ちされた現状分析が必要です」(大木氏)
 同社は親会社であり500棟以上の物件を管理する独立系ビルメンテナンス会社オーエンス(東京都中央区)が長年蓄積してきたデータを基に、外資系FMコンサルティング会社出身のスタッフが構築したノウハウを用いてコスト削減計画を策定する。ちなみに、シーエンスはフィービジネスい特化しており、PM受託した物件をオーエンスが管理することは一切なく利益相反は発生しない。
 サーベイランスサービスやPMの他にも同社では不動産収益を最大化するためのコンサルティングサービスとして、リノベーションによるビル・施設のバリューアップの提案や新築・改修時のコンストラクションマネジメント、省エネルギー診断、FM、建物診断に基づくエンジニアリングレポートの作成など、オーナー視点の資産価値向上サポートを行う。
 「当社グループは施設清掃・設備管理の専門家の他、不動産仲介、建築・設備工事など建物の運営・管理に必要な知識と恵家を持った人材を数多く抱えています。実際の現場を知る企業としてオーナー資産を最大化します」(大木氏)
 なお、サービス利用に関してはオーナーの持ち出し費用は必要なく、初年度削減金額の数パーセントをフィーとする。現場にマネジャーを派遣する場合や2年目以降も継続して品質査定を依頼する場合には、経費プラス各種サービスに応じたフィーを支払う。

NTTファシリティーズ 各種警報システムと連動 火災事故など未然に防止 鉛蓄電池の希硫酸液漏れを自動検知
 NTTファシリティーズ(東京都港区)は、鉛蓄電池の電解液である希硫酸が漏れた場合に自動的に検出し外部に通知することで火災事故を未然に防止できる鉛蓄電池の希硝酸漏れ自動検知システムを日本で初めて開発し、通信装置のバックアップ用蓄電池に試験導入した。
 開発した蓄電池漏液検知システムはセンサーとして機能する検出シートと検出回路から構成され、検出シートは「難燃PETフィルム」、「銅箔の2本の電極」、希硫酸液には反応して溶けるが水には反応しない「特殊コーティング素材」の3層で構成される。検出回路は検出シートの電極間抵抗変化を監視、シートの特殊コーティングが希硫酸液と反応して電極間抵抗があらかじめ設定した閾値を下回ったときには検出し、外部への警報送出が可能だ。
 なお、警報発出機構は構成が簡易で、監視装置等の様々なシステムと容易に連携し漏液による電源装置、キャビネット、床面の浸食や火災を食い止める。
 今後は床面装置タイプの据置鉛蓄電池へのフィールドテストを継続すると共に、バックアップ電源装置と一体化になった高付加価値電源の商品化に向けて検討していく。

昌平不動産総合研究所 「第15回PM入門講座」を開催 講師に鼠屋政敏氏 ゲーム感覚で学ぶ
 昌平不動産総合研究所(東京都文京区)は集中的にPM理論を学ぶ「第15回プロパティ・マネジメント入門講座」の受講生募集を開始した。
 開催日時は本年3月9日(木)10日(金)の2日間(10時~17時)で、講師はPMの本場米国で実務経験が豊富な元三井不動産USA社長の鼠屋政敏氏が務める。
 講座は3部に分かれており、第1部では「PM概論」としてPMの定義・業務・役割・米国に学ぶ点などPMのフレーム・ワークを開設。第2部では「PMシミュレーション(ビル経営仮想体験)」として参加者がそれぞれ異なる条件の課題ビルのマネージャーに就任し、予算作成・運営・記帳・決算まで体験。第3部では「ビル経営のポイント復習」として、それぞれの収支決算結果から不動産価値の策定法などを学ぶ。
 なお、PMシミュレーションでは昌平不動産総合研究所が開発したオリジナルソフトによってPMスキルをゲーム感覚で習得できる独自の研修スタイルを採っている。
 参加費用は5万2500円で、研修教材一式と昼食・飲み物代金なども含まれる。募集人数は6~8人で、定員に達した時点で募集は終了する。

<新商品>日本デオドール 鳩用忌避剤「ハトヨラズ」を発売 ジェルの塗布で効果は1年以上 フィトンチッド効果などを活用
 消臭剤や脱臭器の開発・販売を行う日本デオドール(東京都新宿区)は、素材に植物から抽出したフィトンチッド効果を利用した鳩用忌避剤「ハトヨラズ」の販売を開始した。同時に「ハトヨラズ」塗布工事サービスも始める。
 「ハトヨラズ」は唐辛子のエキスと薄荷(ハッカ)のエキスを ジェル状にしたもの。製品を塗布した場所に鳩がとまると足にジェルが付着し、これを口ばしで取り除こうとした際に唐辛子の辛味成分カプサイシンと薄荷のメントール成分によって忌避させる仕組みだ。
 ジェルの効果は1年間持続するが鳩は一度不快な臭いや味がした場所には寄り付かない修正があるため、撃退効果は1年以上の継続も期待できる。塗布工事を行うため狭い場所でも広い場所でも対応可能で、トゲや糸で忌避効果を狙う製品のように美観を損ねることもない。
 「ハトヨラズ」の販売価格はカートリッジタイプ、袋タイプ共に5m用で3780円。塗布工事を行う場合は1mあたり2500円から(清掃作業費・危険手当は別途)となっている。

<イベント情報>日本冷凍空調工業会 冷凍・空調・暖房機器の総合イベント「ヒーバック&アールジャパン」開催
 社団法人日本冷凍空調工業会が主催する「ヒーバックアンドアールジャパン・第34回冷凍・空調・暖房展」が、東京・有明の東京ビッグサイト西展1・2ホールにて2月7日~10日の季刊開催される。
 このイベントは半世紀にわたって2年に1度開催されてきた冷凍・空調・暖房器産業の総合イベントで、今回は「ここで見つける」をテーマに107社589小間(05年11月現在)の展示会規模で環境配慮型の最新機器、システムを一堂に展示するものだ。
 また、受講料無料のセミナー(事前登録が必要)も開催され、ビル自動管理制御システムやビルエネルギーマネジメントシステムなどビル管理に役立つ講演も多い。
 なお、入場に関しては無料となっており、2月10日正午までインターネットによる事前登録が可能だ。事前登録の上、会場へ行くと「iPod」等の景品が当たる特典もある。

【短信】
岡村子会社新サービス FMマネジャー等派遣
 オフィス家具メーカー岡村製作所のグループ会社でFMコンサルティングなどを展開するエフエム・ソリューション(東京都千代田区)は、一般労働者派遣業及び有料職業紹介業の許可を取得し人材事業「エフエム・ヒューマンサポート」サービスを開始した。オフィス・オペレーションに関する教育を実施した即戦力の人材を派遣し、ファシリティコストと作業効率の最適化をサポートする。

日綜地所の取得子会社 日綜不動産に社名変更
 日本綜合地所(東京都港区)は昨年9月30日付で100%子会社とした日立造船不動産(大阪市西区)を、本年4月1日付で日綜不動産へ社名変更することを決定した。グループにおけるブランド統一を図ることが目的。なお、日立造船不動産はマンション分譲事業のほか仲介、賃貸、施設管理、ホテル運営、給食など幅広い事業展開を行っている。

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