不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2006.01.23 16:58

NTTインテリジェント企画 エムビーエスSワイヤレス社・共栄工業とドアセキュリティ分野で提携 顔認証ドア開閉システムを開発
 NTTインテリジェント企画開発(東京都千代田区)とスマートワイヤレス(東京都港区)、共栄工業(東京都大田区)は19日、生体認証(バイオメトリックス)技術の中でも、利用者の抵抗感が比較的少ない顔認証システムに着目し、セキュリティドアソリューションの民間企業への本格導入に向けて業務提携を行うと発表した。
 カメラの周囲から顔に赤外線を照射し、その画像をカメラで認識して認証するスマートワイヤレス社が提供する顔認証技術や、NTTインテリジェント企画開発が販売し、19億7000万通りの組合せで高セキュリティ性能を持つアブロイ社の「ディスクロック・プロシリンダー」を組み合わせたセキュリティの提案を行う。
 なお3社では、顔認証によるハンズフリーのドア開閉システムに、アブロイ社の提供するスイングドアオペレータを連動させる新セキュリティシステムを開発した。こうした特長を活かして荷物を抱えたまま入退出することの多い物流施設や病院、工場などでの導入を見込む。

<注目の新技術>高耐久防災コーティングシステムを開発 外壁美観と強度を再生耐震性向上に向け研究  エムビーエス(山口県宇部市)は、コンクリート建築物の耐震性などを高める新技術「高耐久防災コーティングシステム」を開発、既存ビル・マンションへの提案を本格化する。
 この技術は鋼材の約5倍の強度を有するガラス繊維を通常より少し長めの短繊維としてランダムに配置したガラス繊維シートを、伸展性に富み、耐候性、耐久性に優れた特殊塗料に含浸させ「高性能コーティングシート」として構造物にコーティングするもの。既にカラーコーティング技術「ホームメイキャップ」として美観再生などに用いてきたが、ガラス繊維が連続していないために、コンクリート部材の単純な曲げや引張りに対する耐力の向上については、シート層を復層にする等の改善がどの程度効果があるか確認が必要だった。
 そこで、昨年10月から新光産業(山口県宇部市)と徳山工業高等専門学校土木建築学科の田村隆弘助教授と共同研究を開始し、コーティングレベルが増加するにしたがい引張強度・曲げ耐力・せん断耐力が向上することなどを確認している。研究結果から建築物の耐震性能改善に寄与する可能性が示されたことで、今後は耐震性能を素材の改良などで高めていく予定。
 なお、外壁剥落等を防止するホームメイキャップは既に実用化しており、材工で平米6000円〜1万円で施工する。
清水建設 既存超高層建物の外装改修工法開発 ゴンドラなどを利用しガラスファザード更新
 清水建設(東京都港区)は、日本ビソー(港区芝浦)、コシハラ(大阪市西成区)と共同で、既存の高層清水建設、日本ビソーなど2社と既存超高層建物の外壁をガラスファザードに一新する改修技術「リファインファクトリー」の開発に成功した。ビル営業を続けながら、既存建物で外装改修工事を施工でき、設備改修工事などと合わせて行うことで、建替えに比べてほぼ半分のコストで、最新のガラスファザードに変えることができる。
 外周養生を目的とする外部吊り「養生ステージ」と、作業員が乗って作業を行うための「ゴンドラ足場」、取り外したPC板や新外装材などの資材を搬送するための「資材搬送システム」を吊り下げ配置することで、超高層ビルの外装リファイン工事が可能となった。
 工期は、20階建ての事務所ビルでPC板外壁をガラスカーテンウォールにリファインする場合、最短で1年。外装のリファインと合わせて、設備改修工事や内装工事など全面的なリニューアルを行うことで、建替えに比べてほぼ半分のコストで、既存建物を最新の新築建物と同等の外観・機能に変えることがでる。
 また、中低層建物用に適した改修技術に関しても、実用化への目処をつけており、コスト面・施工面などの実証試験を経て今年度内に中高層ビル用リファインファクトリーの技術の完成を目指していく。
東建コーポレーション 高耐震アパートに制震フレーム追加 住宅性能表示の等級3が標準仕様 W特許の取得で安全性を更に向上
 東建コーポレーション(名古屋市中区)は、高耐震アパート「シェルルTPⅡ」において、制震機能を付加する「制震フレーム」を開発した。
 現在の「シェルルTPⅡ」は、独自開発の「高耐力フレーム」と、鉄骨柱を組み合わせることで(アウトウォール工法)、建築基準法で要求される1・5倍の構造強度を実現しているが、今回開発した「制震フレーム」を付加することで、地震による揺れが大幅に軽減され、家具等の転倒を防ぐことが可能となる。
 鉄骨フレームの中に粘弾性体を組み入れることで、地震による衝撃・揺れを吸収し、揺れを軽減させる「制震フレーム」は、現在特許を出願中で、本年11月から販売を開始する予定だ。既に特許取得済みの「アウトウォール工法」と併せて「ダブル特許」としている。
 なお、「シェルルTPⅡ」は、「日本住宅性能表示制度」の強化基準の「構造躯体の倒壊等防止」および「構造躯体の損傷防止」の項目において最高ランクの「等級3」を標準仕様としている耐震性の高いアパートである。

<もっと快適に>東芝エレベータ 世界初「磁気浮上制御」用いたエレベーター案内装置 移動手段から快適な乗物へリニアに類する技術を活用
 東芝エレベータ(東京都品川区)は、リニアモーターカーに類した技術「磁気浮上制御」を用いて、高速エレベーター分野の乗り心地を向上させる「エレベーター案内装置」を開発し、08年春の製品化を目指す。
 通常のエレベーターは、モーターの動力とかご(人貨収納部)を吊っているロープを組み合わせ、昇降路内に設置されたガイドレールに沿って走行。かごとガイドレールの接地面には、ローラーガイドと呼ばれる車輪がついており、エレベーターの走行を支える案内装置の役割を担っている。
 世界初となる磁気浮上制御を活用した「エレベーター案内装置」は、永久磁石と電磁石で構成された複合形磁石ユニットにより、エレベーターのかごとガイドレールを接触させることなくエレベーターを走行させるため、レールの加工精度や据付状態に影響を受けず、従来のシステムよりも乗り心地を向上させる。

大林組 国内最大級の「火災工学実験棟」が完成設計でも合理性追及 防耐火分野の技術開発強化
 大林組(東京都品川区)が、防耐火分野での技術開発を加速し、独自の火災安全技術を確立することなどを目的に建設を進めていた、「火災工学実験棟」が完成した。
 近年は、試験体に実際の建物部材が受ける荷重を加えて加熱実験を行う「載荷加熱実験」が一般的となっており、特に大型の試験体を実験できる大容量の耐火炉が求められていたが、国内で載荷加熱実験が行える大規模実験施設は少なかった。
 国内最大規模となる実験棟では、超高強度コンクリートを用いた鉄筋コンクリート部材の爆裂防止技術や高耐火性を有する防火区画工法、耐火性を有する木質部材の開発などを行う。設計面でもデータを蓄積することで燃え広がり方に関する緻密な予測に役立てると共に、より合理性のある耐火設計が可能となる。

新日軽 渡り廊下屋根「スカイパス」発売 階段など段差にも対応
 新日軽(東京都品川区)は、多彩な納まりパターンを持つ渡り廊下屋根として「スカイパス」の販売を開始した。
 ビル間の通路への設置が可能な他、階段などの段差にも対応する片支持タイプ傾斜地を品揃えし、延長ユニットや直角専用コーナーを標準品として設定したことにより、あらゆる場所に使用できる。
 屋根の面材はアルミ板、ポリカーボネート板をラインナップ、間口、奥行き、柱高さなど特寸や特注にも柔軟にサイズ対応できる(標準品間口1980×奥行5800×高2100)。
 組合せ価格は38万2000円。価格には、組立・運搬・取付工事費および消費税は含まれない。

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