不動産トピックス

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2004.12.06 15:38

モスキャッチシステムサービス 蒸散作用で屋上温度を低減 屋上緑化の新システム 水ゴケ利用商品を販売
 コケ植物を利用した屋上・壁面緑化事業を展開しているモスキャッチシステムサービス(東京都中央区)は、新たにミズゴケを利用した新商品の販売を開始した。
 従来、同社が採用しているコケ植物はスナゴケやハイゴケで、双方ともに強い光や乾燥に強い性質を有している。しかし、今回同社により開発された「マーシュタート・クリエーション・システム」は人工的に栽培増殖させた数種のミズゴケを活用して、無機的な都市空間から人工湖の水面まで、ミズゴケ湿原を創出するシステム。高い吸水能力と通気性機能の両方を併せ持つミズゴケは、蒸散作用に優れ、周囲の気温を著しく低下させる。
 従来、ミズゴケの多くは、乾燥ミズゴケとして園芸用に、また、ミズゴケの遺骸である泥炭は燃料や土壌改良剤として多用されてきた。その結果、自然下のミズゴケ湿原が衰退しそれにともない、ここに生息する動植物たちも減少した。同社はこうした生態系の復元と併せ、新たな利用方法を屋上緑化という切り口で実現したといえる。
 システム上で作られる、マーシュタートとは、ミズゴケを生育させる筒状のもので、貯水床盤内に幾つか設置し、水道水による給水を必要とする。施工後、2ヶ月後には、青々とした緑地が現れ、6ヵ月後には、膨らみのある湿原が完成する。

セコムテクノサービス 来年9月末までの法定点検は無料 保守点検費削減価格競争力を発揮
 警備業界最大手のセコムの子会社であるセコムテクノサービス(東京都中野区)は、「セキュリティ工事」を手がけるのと同時に「建物総合管理業」を展開している。既存の保守契約先は3万7千余件で、毎期2ケタ台の成長を実現中。
 保守事業の中でも特に「消防法改正に伴う自動火災報知設備の設置工事」と「条例改正に伴う増圧直結給水設備への切り替え工事」に積極的に取り組んでいる。
 自動火災報知設備は、延べ床面積500㎡未満の小規模雑居ビルまで設置義務が拡大され、既存建物は来年9月末までの設置が義務付けられた。このような動きに対して同社は、セコム関連会社の能美防災より自火報機器を廉価調達し、さらに施工は同社セキュリティ工事の協力会社で対応することにより、価格競争力で優位に立っている。10月よりキャンペーンを実施しており、早めの設置の場合は来年9月末までの法定点検は無料としている。
 また、今年6月から、東京都では、条例改正により「直圧直結給水」と「増圧直結給水」を利用できる建物の範囲が拡大されたが、これを受けて、同社は高架水槽や受水槽からの切り替えの営業を展開している。保守点検費用や電気代が削減でき、また切り替えのイニシャルコストは3年から7年程度で回収できるという。

つやげん 統計的信頼度95% 内見ツールに有用 あらゆる所を1人で測定
 ビルメンテナンス会社のつやげん(東京都大田区)は、ハンディータイプのレーザー距離計「ライカディストライト」を販売している。
 本体から発射されるレーザーが目標に当たって反射し、その光を受けて距離を測定するこの商品は、長い距離や巻尺で測りにくい場所などに有用。これまで2人がかりだった測定も、この商品を使うことにより1人ですばやく行うことが可能。例えば、取得を考えている不動産を見に行った際、各部屋の高さや幅から階段、梁、吹き抜け、そして敷地に至るまで、実際の寸法を確認することができる。また、ビルオーナーにとっては、内見時の案内に使うツールとして有用であろう。
 測定精度はISO勧告に準拠した95%の統計的信頼度を示す。例えば、同一対象までの距離を100回測定した時、確率的に95回は3㎜の誤差の範囲に入る。
 また、本体内に倍率2倍のファインダーが内臓されており、測りたい目標向けてレーザーを照射しながら、本体側面の窓を覗いてレーザードットの当たっている位置を確認することにより、太陽光の下でも測定可能となる。
 受注状況について、担当者の大沢武志氏は「内装工事営業マンや土地家屋調査士などからのニーズが高いですが、貸しビル市場で借り手優位が変わらない昨今、テナント案内方法を工夫するツールとして反響がありました」と語った。

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