不動産トピックス

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2004.10.25 15:44

エコリニューアル事業協同組合 建物再生建築の研修会を実施 大手企業と比較し優位性をアピール
 ビル設備関連会社など24社からなるエコリニューアル事業協同組合は、今月18日(月)午後1時30分から約3時間にわたり、東京都中小企業会館にて、建築設備改修についての研修・説明会を行った。
 3部構成にて行われ、まず、①アイ・エスにより玄関ドア改修の最新施工システムが紹介された。
このシステムでは、枠撤去からドア交換・鍵引渡しまで、たった1日で施工可能。気密・断熱・遮音性に優れ、耐震機能も強化し、さらにバリアフリーにも配慮したドアを提供している。
 ②エレベータシステムズからは、オーダーメイドによる低コストのエレベータの改修・交換施工が提案されている。大手メーカーのリニューアルと比較しつつ、緊急時の対応やアフターサービス上の優位性など説明が行われた。
 ③環境整備からは、関心高まるクリーン事業における最新動向の説明がなされ、厳しさの増す廃棄物処理上の低コスト化システムの提案が行われた。
 平成12年11月に設立された同組合は、ビル・マンション等の大規模改修工事やコンサルティングなど共同受注しており、既存建物の使用可能な部分を活用する建物再生建築を実践している。平成14年1月に行った東京都渋谷区のマニュライフビルでは、店舗用に改修がなされ、一、二階及びエントランス床に御影石を貼るなどデザインの一新が行われた。

鹿島建設 資産価値向上を最優先 総合力活かしたソリューション提供
 鹿島建設(東京都港区)は、建物のライフサイクルに合わせ、省エネルギー技術の導入、老朽化した施設の機能回復・向上、管理運営面での改善・省力化など、中小ビルから大規模ビルまで、建物オーナーの幅広い要望に対し、グループの総合力を活かしたソリューションを提供している。省エネルギーに関しては、BEMSシステムが設けられ、具体的な水光熱費削減効果を提示し、導入効果を保証するためのESCO契約も行っている。
 同社は、7年前からエンジニアリング本部内に、エネルギーエンジニアリンググループを創設し、省エネルギー法などにより強化される、施設管理者(建物所有者という理解が一般的)のエネルギー削減目標達成のためのソリューション体制を強化している。
 競争が激化するマーケットについて、エネルギコンサルグループ・リーダーの牟田惟義氏は「最近、話題の上ることが多いESCO事業者とは事業コンセプトが異なります。すなわち、ESCOのみでは、短期的なコスト削減が最優先されるのに対し、当社では、あくまで資産価値の向上が目的に据えられ、長期的な省エネ・省コスト化を提案し、その効果を保証そます」と話す。
 実際にBEMSシステムが導入された神戸商工貿易センタービルの事例では、氷蓄熱槽の導入及び冷凍機更新、蒸気ボイラや受変電設備の高効率化、空調機VAV制御など行われた。

大林組 耐震補強新技術登場 従来の耐震壁を一新 格子状のブロックで通風・採光を可能に
 大林組(東京都港区)は、今年7月に(財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得した、リニューアル対応・耐震補強新技術「3Q-Wall」を開発・販売している。
 この工法の特色は、ガイドスチールと称する鋼製枠を既存骨組の補強部の内側各辺にエポキシ樹脂を用いて接着接合するか、またはそれに加えてあと施工アンカーを打設して両者を接合し、ガイドスチールに沿ってコンクリートブロックまたはFRPブロックを組積する点。
 この工法によって構築されるコンクリートブロックを組積した増設耐震壁、FRPブロックを組積した増設耐震壁ならびにコンクリートブロックを組積した増設袖壁は、設計要領書で提示している終局耐力および変形性能を有すると判断される。
 特に格子状のリブ材と枠材で構成されるFRPブロックを接着剤で接着しながら積み上げて構築する耐震壁で、通風、採光が可能で意匠性にも優れており、従来の耐震壁のイメージを一新したものといえる。
 その他、①施工時に音や振動をほとんど出さないため、建物を使用したまま補強が可能であり、②補強のための機器・家財の移動や養生を最小限に抑えた省スペース施工が可能。また、③従来の鉄筋コンクリート耐震壁に比べ、工期を短縮し、かつ安全性が向上している。ベニヤ型枠を使用しないので、森林保護や廃棄物削減につながり、環境にも配慮されている。

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