不動産トピックス

快刀乱麻

1996.06.15 11:10

▼テナント料の下落や長期の空室不安を抱えるビルが多い中で好調が伝えられているのが、JR山手線の代々木駅前エリア。都庁移転後、バブル期に隆盛を誇っていた隣接する新宿駅周辺の低迷を尻目に、成約賃料が坪2万円をキープしている物件が多い。空き物件が出ても、割と短期間の間に次期テナントが決まるという。▼しかし、不安材料が全く無いわけではない。新築物件にはさまれる形で、築15年以上は経過している老朽化した建物が目につく。しかも、こうしたビルの大半が、いわゆる「雑居ビル」。1階に食堂、2階に不動産業者、3階にカラオケボックス、5階に貸し会議室といった具合だ。その上、エステティックサロンや喫茶店、そしてカラオケボックスにといったようにテナントの入れ替えも、流行を追うように次々と発生している。▼そうすると予想されるのが、テナント間のトラブルだ。飲食店から出るゴミや臭い・カラオケボックスから生じる音や振動といった問題に対して、どう対応していったらよいのか。▼先日、賃貸住宅におけるペット飼育に関する判例において、3匹以上の犬の飼育を他の居住者の迷惑になるとして違法とする判例が下った。防音対策も万全とは言いがたい老朽ビルにおいて新たなトラブルが発生することも考えねばならない。




週刊不動産経営編集部  YouTube