不動産トピックス
快刀乱麻
1996.05.15 11:12
▼「ハル」という映画が話題を呼んでいる。パソコン通信を通じて知り合った男女が、交信を重ねるうちにまだ顔も見知らぬ相手に恋心を抱くというストーリーだ。恋愛までもコンピューターオンラインの時代になってきたということか▼賃貸不動産の借手と貸手の間でも同様の縁結びがこれから可能になってくるだろう。既にインターネット上では40社を超す不動産関連会社がホームページを作成しており、月に数百件、数千件のアクセスも珍しくないという▼東京・港区の鈴丈エステートサービスの青木邦啓社長は、これをテナント仲介に絞って発展させた次のような未来像を描く。ある地区、例えば駅ごとの最寄りのビルが、時々の空室情報、賃料、設備、テナント構成などを一つのコンピュータネットワークに入力していく。テナントは物件状況を一覧でき、希望条件に見合ったビルが簡単に見つかるというものだ▼このシステムの良い点の一つは市場情報の透明性が大きく高まる点だろう。疑心暗鬼が悪循環を生んでいる現状打破の鍵は情報ネットワークにあると言えるかも知れない。