不動産トピックス

快刀乱麻

1995.08.15 17:07

 三菱地所では、毎年9月1日に行っている防災訓練を強化するという。同社は、丸の内、大手町界隈30棟弱のオフィスビルを保有しているが、今年実施される防災訓練では、阪神大震災を教訓にして、本社ビルが被災した際のバックアップ体制の強化や、これまで行われなかった、社員や家族等の安否に対する訓練項目が新たに追加される。
 今回の防災訓練には、東京など首都圏に勤務する社員1500人の他、丸の内地区のビルにテナントとして入居している企業の社員約2000人、警察・消防などの官庁関係者など200人も参加する大規模なものになる予定。
 三菱地所では、こうした防災訓練は、関東大震災のおこった大正12年の3年後、昭和元年から実施しており、今年で70年目にもなる。
 これまでは、三菱地所の本社がある丸ビルに総本部を置くことを前提に訓練を実施する予定であったが、都心部が震災打撃をもろに受けた場合に横浜事業所に総括支援本部を移設するケースなども今回は想定する。
 また社員、家族の安否訓練には、横浜ランドマークタワーのデジタルPBX(構内交換機)にあるボイスメール機能を借りて、連絡を取るなど、新しい試みも行われる。
 このような防災訓練は、個人オーナーでは、とてもまねはできないが、震災対策という意味で参考にしたい点は多い。




週刊不動産経営編集部  YouTube