不動産トピックス

快刀乱麻

1995.08.01 14:20

 インテリジェントビルが集まる東京・東品川の天王洲アイルで先月後半、この時期恒例となっている第3回サマーナイトクルージングが開かれた。約2週間に及ぶ期間中、ビル群の間にある公開空き地には夜店が並び、日常のオフィス街とはうって変わった祭り風情が繰り広げられた。
 土曜・休日には域外からの”観光客”も多数訪れたが、メインである平日の主役はアイル内のビルの入居テナント対抗の園芸大会が行われるなど、事務局を務めたビルオーナーや地権者の集まりである天王洲開発協議会が掲げた「都内のオフィスワーカーに祭りの賑わいを」という狙い通りの盛り上がりを見せたようだ。夏休みの風物詩といえば麦わら帽子、ひまわり、せみの声といったものを想起するが、こうしたものは都会のオフィス街では求めるべくもない。しかし、高層ビルに囲まれた中で、同僚達と屋台を巡り、夕涼みを楽しむのも「それはそれで良いもの」だ。
 天王洲ではこれまでも新春凧上げ大会やウインターランドなど季節日応じた地域ぐるみの催しを行っている。当初はとにかくアクセスの不備が指摘された同地区だが、現在はほとんどのビルが9割前後の稼働状況で、オフィス街としての成熟も進んでいる。ビル単体でなくエリアに付加価値を持たせる戦略として見習うべき点は多い。




週刊不動産経営編集部  YouTube