不動産トピックス
快刀乱麻
1995.07.15 14:42
韓国の有名百貨店が突然崩壊するという大惨事が起こった。ビル崩壊というと反射的に阪神大震災を想起してしまうが、今回の場合、最大の原因はコンクリートの材質に問題があったとの見方が強い。この他にも鉄筋の数が極端に少なかったのではという指摘もあり、「日本ではちょっと考えられない事故」とのことだ。
さらに呆れるのが、事故当日の朝、既に百貨店の内部では壁や床に次々と亀裂が入り、天井からは水が噴き出すなど異常を示す兆候が幾つも見られており、にもかかわらず百貨店側は下層階については通常営業を続けていたという事実だ。
これはもうどう考えても人為的な事故といえる。地震大国である日本では建物強度の面での安全対策ははるかに熱心に行われている。それでもしかし、ビル崩壊と聞けばとても他人事とは思えない。ビル事業は即ち何百、何千人という人命を預かる業務であり、それだけに人為的オペレーションの重要性を改めて考えさせられる。