不動産トピックス

クローズアップ 喫煙対策編

2011.11.28 14:23

 平成22年4月に神奈川県で施行された受動喫煙防止条例をはじめ、行政主導の喫煙対策が功を奏し、喫煙人口は減少傾向にあるが、オフィスワーカーにはまだまだ喫煙者が多いのが現状だ。今回は、居場所がなくなりつつある愛煙家を救う、オフィスの喫煙対策を紹介しよう。

トルネックス 設置場所を選ばないコンパクトな空気清浄機
 昨年4月には、全国で初となる民間施設内での喫煙を制限する条例が神奈川県で施行され、よりいっそう、喫煙者にとって肩身の狭い世の中になったといえるだろう。
 そんな中、オフィスや公共施設等の喫煙所システムを製造・販売するトルネックス(東京都中央区)は、大風量かつ、省スペースを実現した喫煙所システム「トルネックス カウンター CFJPJ9T」を11月21日から販売を開始した。
 オフィスビルで喫煙所を設置する最大の問題点はスペースを確保することだ。というのも、厚労省が発表した喫煙対策ガイドラインでは、仕切りを備えた喫煙室に換気扇を設置する他、場所によっては火災報知器、スプリンクラー等の設置も求められるため、スペースとコストの都合から、喫煙所を縮小集約するケースが増えている。
 「しかし、喫煙者は減っているのは事実ですが、現役のオフィスワーカーは依然として喫煙者は多いように見受けられます。そのため、喫煙所が減っているにもかかわらず、喫煙者があまり減少していないとなると、1カ所に人が殺到し、換気扇や清浄機のスペックオーバーになりかねません。広い喫煙所を作ることは難しいオフィスビルでは、今後、コンパクトかつ高い性能を備えた空気清浄機が求められています」(マーケティング室 島田氏)
 そうした背景を受け、同製品は同社旧機種と比較して約45%のサイズダウンを実現しつつ、大風量の吸引能力を実現。さらに、排気風速を遅くすることで、狭い室内でも吸い込み気流を乱さず、効率的に煙を捕集することが可能になった。
 今後は労働安全衛生法の改正も見込まれ、オフィスの全面禁煙や空間分煙が義務付けられる可能性が高く、オフィスにおける受動喫煙対策として同製品は非常に有効だ。

SUS 組立簡単、清潔感あふれるアルミ製喫煙ブース
 アルミ構造材メーカーのSUS(静岡市駿河区)は、同社が長年培った技術を生かし、アルミ構造材で組み上る屋外型の喫煙ブース「スモーキングハット」を展開している。
 「建築基準法の改正により、アルミが建築物の構造材として認可されたことを受け、平成14年からアルミ建築をはじめとする建材、部材、家具を総称したブランド『ecoms(エコムス)を立ち上げました。その一環として屋外用喫煙ブースを提供しています』(エコムスマーケティングチーム サブリーダー 小嶋 佑介氏)
 同製品は幅3m、奥行2m、天井高2・5mで、一度に3~4人の利用が可能。建築基準法に準拠し、耐風圧、地耐力、積雪量を考慮した設計で、不特定多数が利用する公共空間でも安心して設置できる。さらに、錆びにくいアルミ材とガラスで組まれ、清潔感と透明感溢れる喫煙所を実現。重量の軽いアルミ素材のため、組み立ても簡単。重機を必要せず、すべてボルト接合のため、最短で着工から15日程度で引渡し可能だ。
 「標準サイズの同製品の他、完全密閉型の『スモーキングキューブ』や簡易型の『スモーキングスタンド』も用意し、用途や環境に応じて3つのパターンから選べます」(同氏)
 同社の喫煙ブースは、これまで高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、大学、市庁舎など、計150棟以上を導入している。既築ビルでは設置場所の問題をクリアする必要があるが、ビルを新築する際に同製品の導入するケースも急増中だ。

コマニー 分煙基準と快適性を両立させた喫煙ルーム
 パーティションの国内大手メーカーのコマニー(石川県小松市)は、平成22年4月に神奈川県で施行された受動喫煙防止条例に合わせた、分煙基準をクリアしながら、快適な居住性を両立させた「分煙ルーム スモット」を展開している。
 パーティションで天井まで完全に仕切り、壁面がガラスパネルのため明るく開放的な空間を実現。万が一、火の不始末があっても発見しやすい仕様となっている。さらに、ルーム内には換気扇を設置し、パネル面下部にガラリを付けることで空気の流れを作り、外部への煙の漏れを防ぐことができる。パーティションは特殊塗装を施し、タバコのヤニが付着しにくく、手入れも簡単。長期間利用しても経年劣化が目立ちにくいのも特長だ。
 分割スタッドを採用した合理的な構造のパーティションを使用するため、施工・解体・移設が最小限の工事で可能となり、少コスト化も図れる。

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