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「SUUMO住みたい街ランキング首都圏版」発表 1位に9年連続「横浜」、「船橋」や「つくば」が躍進
2026.03.09 11:19
リクルート(東京都千代田区)が運営する不動産情報ポータルサイト「SUUMO」は先月25日、2026年の住みたい街ランキング首都圏版を発表した。
同日に行われた記者発表会の前半パートで、SUUMO副編集長の江原亜弥美氏は今年の傾向の特徴として「『の』の字の法則が現れていること」に言及。「の」の字の法則とは首都圏における住居費上昇の連鎖を表した言葉で、住居費は東京都心を起点に上がり始めて横浜・川崎などの南に波及、ひらがなの「の」を描くように南関東の北・東へ連鎖していくという現象だ。ゆえに今回のランキングでは北・東の需要の伸びが確認されたという。
1位に輝いたのは「横浜」。2位に「大宮」、3位に「吉祥寺」と続いた。横浜は今年で9年連続首位と絶大な支持を得ていることが分かった。2~10位も昨年と顔ぶれは変わらず、上位駅の得点は高止まりの傾向を見せている。
1位の横浜は、今回の投票者の多くがみなとみらいや桜木町、関内までを含めた大きなエリアと認識していると仮定すると、グルメスポットや娯楽、商業、ホテル、オフィスと集客機能が多いことが人気を集めた理由だと考えられる。パーク型グルメも盛んで、昨年には臨港パークに「横浜ティンバーワーフ」が開業。1000円以下で食べられるドーナツやパンを求めて平日でも長蛇の列ができるほどの盛況ぶりという。3月には「BASEGATE横浜関内」の開業を控えるなど、新施設の話題もこと欠かないのがこのエリア。
また特筆すべきは産業分野の台頭だ。過去10年の転入超過数をみると、東京はマイナスなのに対して神奈川県の転入超過数は累計で全国1位。日産自動車をはじめCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が昨年5月に渋谷区からみなとみらいへ、おととしにはドイツ系自動車機器メーカーのボッシュが渋谷区から横浜近隣のセンター北エリアへ転入するなど、大手のオフィス需要も高い。こうした働く場やテーマパーク型グルメなどのニーズが後押しした結果、20代からの得点を前回から1・2倍以上伸ばしている。
今回、大きく順位を上げたのが船橋とつくば。共通点は東京方面へのアクセスが良く、住宅価格が比較的値ごろであることだ。直近2年で東京都心の住宅価格が1・5倍程に上昇している一方、船橋やつくばは1・2倍程度と低めで新築戸建ては4000万円台から探すことができる。さらに船橋エリアは2024年に「ららアリーナ」が誕生し、スポーツの試合やイベントが盛んに行われている。つくばエリアも学校教育と研究機関の連携等が進められているなど、街の個性や魅力が十分に根付いているのが特徴的だ。
さらに住みたい自治体ランキングも発表された。1位が東京都世田谷区、2位が東京都港区、3位が東京都目黒区、以下トップ10まで東京23区が独占。一方で江原氏は、住居費と住環境の絶妙なバランスが売りであるとして、トップ10圏外の東京都北区と東京都板橋区を「東京ノース」と称し、その躍進ぶりについて注目する。
「両区は東京都心6区と比較して家賃相場は大体2~3割安く、中古マンションの価格相場は約半額という手頃感が魅力です。また北区には65の商店街、板橋区には77の商店街があって生活コストが工夫次第で抑えやすく、どちらも昨年と比べて女性からの支持が増えているのが特徴的です」(江原氏)
調査は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県に居住する20~40歳の男女9000名を対象に行ったもの。調査方法はインターネットによるアンケート形式。2009年から続けており今年で17回目となる。



