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三菱地所が「空飛ぶクルマ」の飛行実証 実用化に向け国内初の一体運用を実現へ
2026.03.02 11:18
三菱地所(東京都千代田区)、兼松(東京都千代田区)、SkyDrive(愛知県豊田市)の3者は、東京都が推進する「空飛ぶクルマを活用したサービスのビジネスモデル構築に関するプロジェクト」において、2025年度の事業採択を経て、実運用を想定した飛行実証を実施。2月24日から28日までの5日間、一般向けに開放する形で行われた。
都心を取り巻く交通においてはさまざまな課題を内包している。オーバーツーリズムや出社回帰などによる電車の混雑、道路渋滞に加え、飛行機においては空港までの移動の「足」の問題もある。こうした交通課題解決の一助として「空飛ぶクルマ」が注目されている。
今回の実証では兼松と資本提携を結んでいるSkyports社の協力のもと、空飛ぶクルマの離着陸場(パーティポート)を設置。機体の飛行をはじめ旅客体験、運行事業者に対するポート周辺の情報、運行支援の情報提供といったシステムを一貫して提供する。社会実装に必要な最低限のインフラを全て整えたうえでの一体運用は国内初となる。
使用した機体はSkyDrive社の「SD-05」で、パイロット1名、乗客2名の3人乗り。電動バッテリーを燃料とし、最高速度は100km/h。「マルチコプター型」と呼ばれている機体であり、「固定翼」である空飛ぶクルマの機体と比べて小型で軽量なのが特徴だ。主に市内を移動するのに向いている。
SkyDrive 代表取締役CEOの福澤知浩氏は「ビルの屋上のヘリポートは大きさの制限があり、地上には大きな空港を作りにくい。都内で実装するにあたり、ポータブルもしくはコンパクトにできるかというのが有意義だと考えています。機体だけではなく、ポートも20m四方と世界で最も小さなサイズとなっています」と解説した。
また今回の実証にあたり、東京ビッグサイトの臨時駐車場に54㎡のトレーラー型ターミナルを開設した。役割のひとつにセキュリティ性を担保したチェックイン機能が挙げられる。ターミナルの入口に顔認証の端末を用意。チケット予約の際に登録された顔と照合し、問題なければ保安検査に進める。ターミナルにはチェックイン前に入れるギャラリーエリアも整備しており、空飛ぶクルマの模型を見ながらゆったり時間をつぶしたり、同行者が見送りをすることも可能だ。
チェックインが完了すると、保安検査エリアで金属探知機による保安検査と体重測定を実施。保安検査が終わると搭乗口を兼ねたラウンジスペースに進め、空飛ぶクルマのフライト状況や飛行機、電車等の交通状況も把握することが可能だ。
ターミナルの奥にはコントロールルームも整備。バーティコートの施設全体の管理やポートの近隣の飛行体、天気情報等を監視・把握することで、空飛ぶクルマの安全な運航をサポートする。
ターミナルを設けた意義について三菱地所 丸の内業務企画部主事の土山浩平氏は「機体の飛行はもちろん、旅客体験、運行事業者に対するポート周辺の情報、運行支援の情報を提供するというシステムも内蔵してございますので、社会実装に必要な最低限のインフラを全て整えた形での一体運用という意味で非常に意義がある取り組みではないか」と話した。
2月24日に行われたデモフライトでは、フライト時間3分半、飛行距離150m、高度は水面から13m、速度は4m/秒を記録。実装に向けたデータの収集を行っていく構えだ。



