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セクションLが秋葉原にアパートメントホテルを開業へ

2026.02.02 14:37
随所に「レトロゲーム」イメージのピクセルアート
新築レジをホテルに 収益は”倍以上”も
都内を中心にアパートメントホテル「Section L」を開発・運営するセクションL(東京都千代田区)は2026年2月にアパートメントホテル「Section L Akihabara(セクションL秋葉原)」を開業する。「レトロゲーム」を想起させるピクセルアートをフロントや客室内に飾るなど、秋葉原らしいホテルをつくりあげた。
「セクションL秋葉原」は東京メトロ銀座線「末広町」駅から徒歩2分、JR・東京メトロ「秋葉原」駅から徒歩5分の場所に立地する。
建物は12階建てで、1階はフロント、2~12階までが客室で、各階2部屋ずつの構造となっている。客室面積は約34㎡で、最大宿泊人数は3人。客室内にはキッチンやドラム型の乾燥機などが設置されていて、中長期の滞在客を中心に需要を狙う。
同社は2020年の創業以来、都内を中心にアパートメントホテルブランド「Section L」を展開しており、秋葉原の開業で13棟目となる。建物オーナーは機関投資家で、「Section L」の初期の複数物件のオーナーでもあったという。
もともと建物はレジデンスとして新築されたもの。竣工したばかりのカラ物件を機関投資家が購入し、レジデンスとして運用せずにアパートメントホテルへコンバージョンを行った。1階の店舗部分をフロントとして改装。居室部分は軽微な改装を行い、家具を設置して客室とした。
セクションLによると、同エリアでレジデンスとホテルの収益性を比較すると「ホテルのほうが倍以上の収益を狙える」と明かす。「セクションL秋葉原」の宿泊料金は1泊3万円台の想定だ。レジデンスとして運用する場合には月18~20万円が相場となり、単純に計算すると1週間で1カ月分の家賃分となる。こうした収益性の差がレジデンスとしてではなくホテルとしての運用を決断したきっかけになっている。
「ピクセルアート」を各所に フロントにはゲーム機も
「セクションL秋葉原」1階のフロントで目に入ってくるのは、ピクセルアートだ。香港を拠点に活動するピクセルアーティストのファットビアード氏が制作した。日本の自然豊かな風景や都会の街並みを主なテーマとしながら、ゲームや映画を題材にした作品や動物のイラストも手掛ける。「セクションL秋葉原」では、サイバーパンクなシーン1点とレトロゲームをテーマにしたイラスト2点を展示。作品は秋葉原のアニメやゲーム文化、さらにエリアの特徴を捉えつつ、セクションLならではのユニークな要素も作品のなかにちりばめている。こうした作品がフロントのほかに、各客室にも飾られている。
チェックインを終えて客室に行こうとすると、「START HERE」の文字と共にサイバーパンク感のある動線が現れる。こうした空間デザインはセクションL社内で企画したものだという。
フロントには赤いソファが置かれ、テレビとゲーム機が置かれている。ゲーム機には100タイトルほどのレトロゲームが内蔵されているとのことで、宿泊者は遊ぶことができる。「宿泊者のボリューム層は30代で、最新のゲームには詳しくないがレトロゲームのファンという方が多い」と話す。童心に帰って遊ぶことができる空間を提供する。
今回の「Section L Akihabara」ではレジデンスからホテルへのコンバージョン事例で、これまでもレジデンスやビジネスホテルからアパートメントホテルへの改装は数多くこなしてきた。オフィスビルについてはまだ事例はないものの、「候補となる案件はある」とのことだ。中長期的には土地選定から行う開発型も手掛けていく予定。中長期滞在型ホテルへの需要は堅調に推移しており、同社は引き続きミートしていく構えだ。



