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JR「取手」駅前に地上21階建てタワマン計画 図書館など市の公共施設とともに整備へ

2025.12.08 11:29

 茨城県取手市は3日、「取手駅西口A街区再開発ビル内複合公共施設整備事業 基本構想」を策定したと発表した。図書館を核とした公共施設と地上21階の住宅で構成する計画で、事業費は約187億円。2028年度の着工、2031年度の竣工を目指す。
 市ではJR「取手」駅西口に面する街区で図書館を核とした複合公共施設を整備する方針をもとに、関係機関と連携しながら検討を進めてきたが、1日に複合公共施設の事業推進に向けた基本的な方向性を示す「取手駅西口A街区再開発ビル内複合公共施設整備事業 基本構想」を策定。今後は基本構想を具体的にする公共施設基本計画の策定に向けた検討を進める予定で、市民アンケート等による意見を取り入れながら、各機能の規模・配置、運営方法等を検討していくとしている。
 基本構想が策定されたA街区はJR「取手」駅西口駅前広場に面する約0・7haで、今回はそのうち約0・5haを開発する。一帯は区画整理事業の施行区域に指定されており、順次開発を進めていく。
 構想では、地上21階約250戸の住宅が入る住宅棟と付随する駐車場棟、地上5階建ての非住宅棟を建設。合計延床面積は約2万8200㎡に達する。非住宅棟には図書館を核とした複合公共施設や店舗等を整備する予定で、各機能の規模や配置は今後具体的な検討が行われる。
 市では非住宅棟について、図書館、カフェやオープンステージ、音楽スタジオや多目的ラウンジなどの導入を目指すとしている。市民に「居場所」を提供したいという意味を込め、「あなたの居場所、私の居場所、取手駅前Library」というキャッチコピーも策定。施設の整備やイベント開催などにより、駅周辺地区の賑わい創出を目指す考えを示している。
 「取手」駅西口の再開発は、取手駅北土地区画整理事業(施行面積約6・5ha)による都市基盤整備が進められ、2011年度には取手駅北土地利用構想を策定。少子高齢社会に対応した持続可能な中心市街地の活性化に向けて、都市機能の集積による都市再生が進められている。
 A街区では2017年に最初の再開発基本構想を策定。2018年に大京(東京都渋谷区)と戸田建設(東京都中央区)を事業協力者に決定し、2019年に再開発準備組合を設立したものの、その後の情勢変化などを受けて2024年に市が計画見直しを決定。今年に入り、大京と戸田建設が建築コスト高騰などを理由に事業協力契約を解約していた。今年8月には新たな事業協力者としてフージャースコーポレーション(東京都千代田区)を選定。住宅棟の保留床を取得・販売する予定としている。




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