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JR「津田沼」駅南口の再開発事業が延期 相次ぐ再開発の延期・見直し 「中野サンプラザ」は白紙

2025.06.02 15:03
千葉県習志野市のJR「津田沼」駅南口で予定されていた再開発が延期されることがわかった。事業を担当する野村不動産(東京都新宿区)は5月21日、同社が不動産信託受益権を保有する商業施設「モリシア津田沼」を含む「津田沼駅南口地区第一種市街地再開発事業」の認可に向けた手続きの延期を習志野市に通達。3月末まで営業していた「モリシア津田沼」は部分的な再開を検討するとしている。
計画地には現在、前述の商業施設や「習志野文化ホール」、集合住宅などが立つ。これらを敷地面積約2万600㎡、建築面積約1万8300㎡、延床面積約22万㎡、地上52階地下2階建てのビルに建替え、住宅や商業施設、ホールなどを整備するとともに、駅前広場やバス乗降場を設置し交通結節機能の拡充を図る構想だった。
野村不動産では延期の理由について、建築費の動向を含めた社会情勢が見通せないためとし、再開の見通しが立った際に改めて事業の認可に向けた各種手続きを再開する予定としている。「モリシア津田沼」の部分的な再開については、老朽化が進行している建物設備などの調査点検の結果を踏まえて今年度中を目途に判断するという。
延期を受け、習志野市の宮本泰介市長は「非常に残念で困惑しています。商業施設再開の具体策を早期に示していただくことを強く求めました。本市においても、文化ホールの現施設の状態把握をいたします。引き続き市民への影響が最小限になるよう、協議に臨んでまいります」とのコメントを発表した。
建設コストの高騰や人手不足などのあおりを受けて、再開発の延期や見直しが相次いでいる。5月には「中野サンプラザ」の建替えを含むJR「中野」駅北口周辺再開発の白紙化が判明。報道などによると中野区は現在計画されている再開発を断念し、新たな計画の策定を急ぐ方針。「中野サンプラザ」営業再開には改修費などに100億円ほどがかかるため現実的ではないという。