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「虎ノ門」駅直結の高層ビル着工 中央日土地・UR・住友不 延床約12万㎡の複合ビルを開発

2024.01.29 10:59

 虎ノ門一丁目東地区市街地再開発組合と中央日本土地建物(東京都千代田区)、都市再生機構(横浜市中区、UR都市機構)、住友不動産(東京都新宿区)の参加組合員3者は「虎ノ門一丁目東地区第一種市街地再開発事業」を1月22日に着工した。
 国家戦略特別区域計画の特定事業に指定された再開発事業で、約1・1haの計画区域内に、延床面積約12万㎡の「駅と一体となった国際的なビジネス交流拠点」を整備する。竣工は2027年6月15日の予定。
 計画地は東京メトロ銀座線「虎ノ門」駅直結。建物は延床面積11万9886・17㎡、敷地面積6397・27㎡、地上29階地下4階。オフィス、店舗、ビジネス支援施設が入居する予定。「INCLUSIVE GATE」をコンセプトに、虎ノ門に様々な出会いと新しい「閃き」を生み出す次世代型ワークプレイスと共創の場を創出し、人・情報・技術を世界へと発信する計画。建築家の小堀哲夫氏をはじめとするデザイナーとのコラボレーションにより、東京の国際競争力と魅力向上に資するまちづくりを進めていくという。
 オフィスフロアは、居心地の良い空間を目指し、緑豊かなテラスへと繋がるオフィスロビーをはじめ、各階には小川が流れるバルコニーを設置。最上階のラウンジと屋上庭園など、都市にいながら自然を感じられる空間を創出。基準階面積約2800㎡のオフィスに加え、各所に共用空間を設けることで、オフィスワーカーの「閃き」を誘発し、イノベーションを促進する計画とした。
 建物低層部には「(仮称)虎ノ門イノベーションセンター」をはじめ、店舗エリアや東西のガーデンテラスなど、賑わいや交流の場として地域に開かれた空間を創出する。
 駅との接続も向上させる。「虎ノ門」駅周辺で実施中の歩行空間整備を拡充し、駅南側の空間整備を完了するとともに、新たに南北を接続する地下通路を整備する。地下駅前広場は地上との連続性を高めるとともに、外堀通り側の1階にはパサージュを設け開放的な空間とする計画。多様な人々を受け入れる「INCLUSIVE GATE」として相応しい都市基盤整備を推進する。
 内装に自然素材を使用するなど、都市と人との関わりや自然の営みを感じられるデザインを採用。地下雨水ピットから屋上庭園まで水を汲み上げ、自然流下でオフィスフロアや商業エリアに水を流す「超高層循環水景システム」を導入し、水音や水面のゆらぎによるヒーリング効果を生み出して付加価値の向上を目指す。
 省エネにも力を入れる。消費エネルギーを効率的に削減する設備・仕様を導入するほか、DHC(地域冷暖房施設)の導入で、環境負荷の低減を図る。これらの取り組みなどにより、「LEED」Gold予備認証を取得しているほか、「ZEB Ready(事務所用途)」をはじめ、「DBJ Green Building認証」、「CASBEE」、「BELS」の最高ランクを取得する予定となっている。

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