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ホットスケープ 「虎ノ門ヒルズ」のイベントスペースなど運営受託

2023.10.09 10:49

 ホットスケープ(東京都港区)は今年4月に、森ビル(東京都港区)から虎ノ門ヒルズのイベントスペース等の運営業務を受託した。
 1991年設立のホットスケープは、イベントの企画・運営・制作を中心に展開。提案力や万全な直接受注体制を強みに実績を積み上げ続けている。
 代表取締役の前野伸幸氏は「イベント運営会社は、孫請け・ひ孫受けが多くなりがちな業界。その中でクライアントと直接仕事がしたいと考えたのが設立の経緯です。3人で事業をスタートし、大手企業がホテルを借りて行う社内行事や、テーマパークのアルバイト面接会など、企業の広告宣伝ではない、社内イベントの運営を中心に実績を重ねていきました」と話す。
 事業規模が拡大した今でも、99%がクライアントとの直接取引。業容はイベントの運営にとどまらない。カンファレンスの予算計画のアドバイスから動線や看板の位置などの現場目線が必須の範囲まで、同社が一貫して対応している。
 「クライアント様の採用説明会などの運営で、これまでに何度か六本木ヒルズのカンファレンスを利用させていただきました。『スクリーンの向きを逆にしてほしい』『コンセントがこの場所に追加して欲しい』といった設備や動線について助言をしているうちに、森ビル様とやり取りする機会ができました。そのご縁から先行して『虎ノ門ヒルズフォーラムの運営会社を決めるコンペに参加してみないか』と声をかけていただいたき、10年にわたるカンファレンス施設の運営の実績に加え、今回のエリア全体のイベントスペースの受託運営につながっています」(前野氏)。
 先駆けて運営を行っていた「虎ノ門ヒルズフォーラム」のほか、今年から、「オーバルカフェ」、「オーバル広場」、新虎通り「THE CORE KITCHEN/SPACE」、ならびに今月開業した「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー ステーションアトリウム」などの運営受託を開始。こういった大規模複合再開発では、細かいエリアごとに運営者が異なる場合が少なくない。ホットスケープでは複数の拠点の運営を一手に担うことで、イベント主催者などの確認作業を効率化しながら、街全体で情報発信を行う環境を整えている。
 「街づくりには人と人とのつながりが重要で、それにはイベントの力が不可欠です。当社では会場の図面からお弁当の手配まで、過去の運営イベントの膨大なデータをストックしています。虎ノ門ヒルズフォーラムはここまで安定した運営しているので、この実績をさらに積み重ねていきたいと思います」。

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