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6月末竣工の「ダイアンクレストビル」旺盛な新築テナント需要に対応

2023.07.24 10:51

 西麻布の交差点角地近くで進行していた「(仮称)西麻布一丁目ビル建て替え計画」。今年6月末に竣工を迎え、竣工前の時点で4フロアのテナントは確定済みだ。
 今回新たに竣工した「ダイアンクレストビル」は、六本木通りと外苑西通りの交わる交差点から3件隣で進行していた建替えプロジェクト。規模は地上10階建てで、延床面積は567・39㎡のテナントビル。フロア面積は1階が54・38㎡。2階が50・83㎡。3~10階は50・84㎡となる。用途は飲食店舗をはじめ、来客型のサービス店舗や物販店舗、オフィス需要も想定して構築した。15坪ほどの区画であるが、同地に小規模の新築物件が皆無のため反響は上々。間もなく満室稼働も実現する勢いである。
 建築主はブラックエステート(東京都港区)であるが、同社の資産運用及び管理会社のダイアンクレスト(東京都港区)を中心に建替えプロジェクトは進行してきた。ダイアンクレストは主に投資用不動産の販売、既存物件を取得後にバリューアップしての再販事業など多岐にわたって展開している。今回はブラックエステートが保有していた自社ビルを解体し、従前よりも更にサイズアップしての建替えを実施。今後は売却も視野に入れながら、まずは満室稼働を目指す。
 ダイアンクレスト社長秘書の寺田響香氏は「六本木、青山、渋谷、広尾へ繋がる西麻布交差点の角から3件目という好立地であることが最も大きな強みと思います。外観は1~2階にわたる特徴的なリブガラスを採用し、当ビルを印象付ける意匠となりました。そして最たる特徴は、西麻布の夜景を彩るライトアップです。西麻布に相応しい、印象に残るライトアップになっていることも魅力でしょう」と語った。
 外観やライトアップは、今回リーシングに大きく影響している。西麻布は飲食店舗から根強い人気のある地域で、入居テナントの利用客数やイメージにも影響する。よりお洒落で華やかなビルに入居したい店舗は多い。実際、竣工前の時点で4フロアのリーシングが確定済み。対象はサービス店舗や物販、オフィスと幅広く設定していたが、入居予定のテナント属性は飲食が圧倒的に多い。入居予定のテナントからは「新築でありながら、あの立地は滅多にない。外観等も含めて、とても魅力的に感じた」とのこと。リーシングが上手く進んでいる好事例と思われる。

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