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札幌「大通」駅直結のオフィス・商業複合ビル開発がスタート 「(仮称)札幌4丁目プロジェクト新築計画」着工

2023.06.26 10:57

 鹿島建設(東京都港区)は、札幌市中央区南1条西4丁目で開発中の「(仮称)札幌4丁目プロジェクト新築計画」を着工した。竣工は2025年1月を予定している。
 立地は、札幌市営地下鉄南北線、東西線、東豊線の3路線全てが乗り入れる「大通」駅に直結。
 計画は、南1西4スクランブル交差点(4丁目十字街)に面していたファッションビル「4丁目プラザ」跡地の開発事業。施設地下1階で、さっぽろ地下街ポールタウンと接続し、地下鉄「大通」駅から天候に左右されずにアクセスできる。
 計画建物は、敷地面積1472㎡、延床面積1万8840㎡、鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)・地上13階地下2階建てのオフィス・商業複合ビル。
 4~13階のオフィスでは、1フロア約300坪、延べ面積9939㎡のオフィスプレートを提供。1フロアは最大7区画に分割可能(最小貸出し面積約27坪)。大小さまざまなオフィステナント需要に対応することで、入居テナントの専有部効率化やコスト削減に寄与する。天井高さは2・8m、OAフロア高さは100mmを確保する。
 1~3階のオフィスエントランス階には、多目的に使用できる「まちのリビング」を設置。1階には、札幌市電「西4丁目」駅の正面にカフェを併設したスペースを設ける。3階は建物外周を半屋外テラスとし、利用者に多様な居場所を提供すると共に、交差点に対して施設の賑わいを誘致する。
 また、オフィス部分では「ZEB Ready」認証を取得予定。オフィス執務室にLED照明や昼光センサーによる適正な照明照度補正を行うほか、CO2濃度による外気量自動制御機能などを有する高効率空調システムを導入。オフィス外装には、開口部にLow-E複層ガラスを採用し、外気や日光の影響を受けやすい窓際スペースの熱負荷を低減する。
 地下1階から地上3階は商業施設。地上階の商業施設は、主要道路である南1条通と札幌駅前通に面する位置に配置する。
 外壁には、緩やかな凹凸を持ち見る方向により建物の表情に変化をもたらす「プリーツ・ファサード」を採用。大通公園側からは端正で透明感ある表情を、反対方向の狸小路側からは壁面とガラスのパターンにより、連続するまちのにぎわいを醸成する。
 建物の構造には、制震構造とともに鹿島式ストレート梁工法を採用。またBCP対策として、オフィス執務室等に連続72時間給電可能なビル用の非常用発電設備の設置等を計画している。また、低層階共用部は帰宅困難者100名の受け入れが可能な設計とし、一時滞在施設として機能する計画。さらに、地下には防災備蓄倉庫を設置する。

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