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三井不動産リアルティのPM業務 受託棟数増加 今後はエリア拡大も視野

2023.04.10 10:48

 三井不動産リアルティ(東京都千代田区)ではプロパティマネジメント(PM)業務を展開しており、現在首都圏オフィスエリアを中心に、受託棟数を伸ばしている。既存のオフィスビルはもちろんのこと、オーナーが新たにビルを取得した際に、PM業務を依頼されるケースも多い。

 同社は「三井のリハウス」でお馴染みの居住用不動産の売買・賃貸仲介業務を行っているリテール事業、「三井のリパーク」といった駐車場運営管理・カーシェアリング事業に加え、オフィス・店舗ビルオーナーや不動産投資家向けに事業用・投資用不動産の売買・賃貸仲介業務や関連する運営管理等のソリューション事業も行っている。ビルオーナーにとっては取得後の運営管理も重要。設備更新やバリューアップ、空室があればリーシングも必要となる。後々の運営管理や出口戦略も見据えてのコンサルティングなど、多様なニーズに応えているのが同社のPMである。ビル取得時や建築時のコンストラクションマネジメント(CM)で携わったことがきっかけとなり、PM業務を委託されることも多い。
 PMはテナント管理や建物管理に加え、アカウントマネジメント、リーシングマネジメント、CMを提供する。アカウントマネジメントでは、各テナントへの賃料等の請求及び送金等を実施。オーナーに代わり適切な収益管理を行う。リーシングマネジメントは、テナント募集営業。優良なテナント誘致と高稼働率を実現するため、マーケット調査や分析、テナントニーズの把握なども行う。CMでは、修繕計画の策定・実施やテナントニーズに合致した追加投資を提案。独自の見積査定に基づいた適正コストの算出で、費用を抑えながらも資産価値を高めるリニューアル工事等を提案できる。
 プロパティマネジメントグループ グループ長の鈴木善幸氏は「各サービスが連携しながら、また社内の他事業や三井不動産グループとも連携を取りながら、PMにおける課題解決や収益向上の実現を得意としています。『現在空室を抱え中々稼働率が上がらない』、『バリューアップ工事を検討しているが、何処から何に手を付ければ良いか、専門的な目線でアドバイスが欲しい』など、様々なきっかけで関わり、その後の運営管理で永く付き合うオーナーは多いです。PMはオフィスビルを対象としていますが、店舗複合ビルでも対応可能です」と語った。
 昨年乃木坂に立地する中規模ビルのPM業務を受託した。地上5階建て、1フロアは約60坪。元は自社ビルであったがフルリニューアルを行い、テナントビルに変更した。建築段階で将来的なリーシングや管理を見据えたアドバイスを行い、ビルのリニューアルにも反映した。鈴木氏は「当社PM業務に魅力を感じて管理会社の切り替えを検討されるオーナー様だけでなく、現行ビル管理会社との契約更新等のタイミングでコストの見直しを検討されるオーナー様もいらっしゃいます。今後は受託棟数を増やしながら、エリアの拡大も行っていく方針です」と語った。

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