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アンチスリップ・ラボ ビル内の転倒事故を防止する「ASL工法」普及 表彰制度など新しい取り組みも開始

2022.10.17 11:05

 一般社団法人のアンチスリップ・ラボ(横浜市青葉区)は、床面の滑り止め施工「ASL工法」の普及活動を行っている。
 ASL工法とは、アンチスリップ・ラボが商標登録したオリジナルの滑り止め工法。独自開発した特殊な液剤を塗布することで、床材のタイルや石に含まれる特定の成分だけを溶かして微細な穴を床材全体に形成する。この微細な穴に水が入り込むことで、水の移動が抑えられ床面が滑りづらくなるという仕組みとなる。近年はオフィスビルやマンションの床面への施工の他、商業施設、学校やプール、特別養護老人ホームまで幅広いニーズに対応。全国各地の施設における転倒事故の防止に寄与している。
 アンチスリップ・ラボは2018年の設立以来、ASL工法の施工実績の積み重ねとSNSによる日々の活動の発信により、各方面から反響を伸ばしてきた。施工会社からハウスクリーニング事業者、建築会社、販売店まで会員の層は幅広く、北は北海道から南は沖縄まで全国のさまざまな事業者が加盟している。
 今年4月には新たな試みとして、会員の表彰制度を始めた。施工物件数の多さをたたえる賞や施工面積に応じた賞など様々な賞が用意され、全国にいる多数のASL会員が参加。会員のさらなるモチベーションアップにつながっているという。
 授賞式で3冠を獲得した、大阪の施工会社・マイト(大阪府松原市)の代表取締役で、アンチスリップ・ラボで理事を務める佐々木康至氏は「特にお互い遠くの地方にいる会員同士の施工実績がこれまではわかりづらかったので、表彰制度ができてよかったと感じます。直近だとしばらく休止していた京都の伏見稲荷神社の石段への施工を12月から再開します。さらに活動の幅を広げ、各地で転倒事故のリスク低減に努めていきたいと思います」と話す。
 7月には会員数が40社を突破。9月には5期目を迎え、順調に活動の幅を広げる同法人。オフィスビルの安全を守る取り組みを、さらに追っていきたい。

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