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「東京ミッドタウン八重洲」竣工 八重洲のミクストユースプロジェクトが9月17日より先行オープン、来年3月開業

2022.09.19 11:22

 三井不動産(東京都中央区)が八重洲二丁目北地区市街地再開発組合の一員として開発を推進している「東京ミッドタウン八重洲」が、先月31日に竣工。2023年3月10日の開業決定を発表した。今月17日には地下1~2階には都市再生機構(横浜市中区)と京王電鉄バス(東京都府中市)が整備を進めるバスターミナルが開業するほか、地下1階の13店舗が先行オープン。15日には開業式典ならびに「東京ミッドタウン八重洲」の竣工記者会見が行われた。
 「東京ミッドタウン八重洲」はJR「東京」駅と直結する、延床面積約28万3900㎡・地上45階地下4階の「八重洲セントラルタワー」、延床面積約5850㎡・地上7階地下2階の「八重洲セントラルスクエア」の2棟からなる開発。「東京ミッドタウン六本木」、「東京ミッドタウン日比谷」に次ぐ3施設目のミッドタウンブランドとなる。コンセプトに「ジャパン・プレゼンテーション・フィールド~日本の夢が集う街。世界の夢に育つ街~」を据えて、世界中・日本中から人や情報、モノ・コトが集まり、交わり、新しい価値を生み出し、世界に向けて発信していく街づくりを目指していくという。
 地下1~地上3階には57の商業店舗が出店する商業ゾーン、地上7~48階にオフィスゾーンを設けた。さらに地下4階には八重洲エネルギーセンター、1~4階には今月1日に開校した中央区立城東小学校、2~3階に来年4月に開園予定の子育て支援施設である昭和こども園、4階には2022年10月に開設予定の東京大学八重洲アカデミックコモンズが入るなど、多彩な要素で構成されたミクストユース型の施設として注目が集まる。
 オフィスゾーンはワンフロア約4100㎡、天井高2900mmと広々とした内観を特徴とするほか、最新鋭のシステム・サービスを導入。「行きたくなるオフィス」を目指し、テナント向けサービスとして24階にはラウンジ、フィットネスジムを設置、7階には同社が展開するシェアオフィス「ワークスタイリング」を開設する。また首都圏大規模オフィス初の完全タッチレスオフィスを導入。オフィスロビーで顔認証入館に始まり、エレベータボタンの非接触、専有部入り口の自動ドア化などにより接触を一切することなく執務室への入室を可能とした。
 さらに最先端の様々なロボットも見どころ。ビルメンテナンスの業務効率化に向けた清掃ロボットと運搬ロボットのほか、オフィスワーカーが利用できる「デリバリーロボット」を日本の大規模ビルで初めて導入。フードデリバリーや施設内のテイクアウトの飲食物を、配達員の代わりにロボットが執務室まで運んでくれる。自立走行でエレベーターに乗降できる機能や館内での遠隔管理システムなど、「ロボットフレンドリーなビル」としてハード・ソフト双方の取り組みを加速する。
 オフィスゾーンは来年3月の成約率100%を目指し、現在はリーシングを進めている。既に入居を決めている企業にはダイキン工業や住友生命、三井化学、GLP、M&A CAPITAL PARTNERSなど名だたる企業も多数。
 八重洲に新しく誕生したランドマークビル。今後は東京メトロ銀座線「京橋」駅までの直結でアクセスが可能となり、さらに歩行者ネットワークが向上する予定という。

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