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森ビル 「赤坂溜池タワー」屋上でぶどうを収穫 地上100mで獲れた巨峰に隠された工夫

2022.08.29 11:23

 森ビル(東京都港区)は今月17日、自社で運営・管理を行う「赤坂」駅徒歩4分、「溜池山王」駅徒歩4分の「赤坂溜池タワー」の屋上にて、栽培しているぶどうの収穫を行った。
 地上100m、面積約1340㎡の屋上を活用したぶどう栽培は、「赤坂溜池タワー」竣工翌年の2001年から継続している取り組み。栽培する「巨峰」の収穫は、毎年森ビルの社員が協力して進めている。
 今年は土の劣化も鑑みて樹勢回復にも力を入れた。80房から40房と例年より収穫数は半減したが、かえって質の高いぶどうになったという。森ビル広報室の八巻夏葵氏は「ルーフガーデンでは、都市緑化の一環としてぶどうを栽培しています。今年も大きくてみずみずしいぶどうができました。利用される方に少しでも季節を感じてもらえると嬉しいです」と話す。
 「赤坂溜池タワー」のぶどう育成を行うのは、多くの農園を管理している風のみどり塾(東京都港区)。管理に携わる石本亜矢子氏が「台風が来ると実が落ちてしまうことがあったり、都心だと直射日光が強いため、ぶどうが日焼けして傷んでしまうこともあります。そのためダメになりそうなぶどうは早めに収穫したり、袋掛けには透明ではなく白濁色の袋を使ったりしています」と語るように、ビルの屋上ならではの管理の工夫が光る。
 森ビルでは「赤坂溜池タワー」以外にも、管理するビルの屋上を活用した庭園や季節の催しを積極的に進めている。都心にいながら緑が感じられるぶどう栽培の取り組み。来年の収穫が待ち遠しい。

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