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木造の「(仮称)駒沢大学駅西口ビル(2)」サステナブル建築物等先進事業に採択

2022.08.15 11:34

 東急(東京都渋谷区)と東急電鉄(東京都渋谷区)は、「駒沢大学」駅リニューアル工事にで開発を計画している「(仮称)駒沢大学駅西口ビル(2)」が、木造建築物に係る技術の進展及び普及啓発を図ることを目的とした「令和4年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されたと発表した。今回採用した耐火・構造技術を導入した木造駅ビルは全国初。
 同計画は、田園都市線地下区間5駅(「池尻大橋」駅~「用賀」駅)のリニューアルプロジェクト「Green UNDER GROUND」第1弾。プロジェクト名に含まれる「Green」は、田園都市線の路線カラーでもあり、「快適・安心」、「スムーズ」、「クリーン・サステナブル」、「親しみが生まれる」、「新しさがある」など、さまざまな想いが込められている。
 「(仮称)駒沢大学駅西口ビル(2)」は柱・梁へのLVL(単板積層材)による耐火被覆や、LSB接合による2方向ラーメン構造などの国内最新技術を掛け合わせることにより、地上部分を木造化するとともに、「建物に対する木材使用率」「レンタブル比率」の最大化を目指した。これらの取り組みが設計・施工技術の普及啓発につながると評価され、今回の採択となった。CO2約56tを固定化し、CO2排出量を抑制する見込みとしている。
 同ビルを含む「駒沢大学」駅リニューアル工事は、2024年夏(予定)の竣工に向け「UNDER THE PARK」をコンセプトとし、地域の憩いの場である都立駒沢オリンピック公園の最寄り駅として、公園とともにあるライフスタイルをイメージするデザインを取り入れた空間の創出を目指す。「駒沢大学」駅を1本の木に見立て、同物件を含めた同駅出入口3棟の駅ビル外観は、まちのシンボルとなる玄関口として、木の葉をイメージするデザインにしている。
 そのほか、先行して供用を開始した駅構内トイレは、面積を広げ、洗面台・個室数を増やしたことで利便性を高めるとともに、旧玉川線の廃材として保管していた敷石の活用にも取り組んでいる。

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