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鹿島建設 世界貿易センタービルを最新工法で解体

2022.07.18 10:57

 鹿島建設(東京都港区)は、超高層ビルの新たな解体工法「鹿島スラッシュカット工法」を開発し、同社東京建築支店で施工中の「世界貿易センタービルディング既存本館」の解体工事に適用している。
 「世界貿易センタービルディング」は、最高高さ162mの超高層ビル。解体される建物としては国内最高。
 同ビルは、JR「浜松町」駅と東京モノレール「浜松町」駅に直結し、都営地下鉄「大門」駅に近接する交通の結節点にあり、歩行者や車の交通量が非常に多いエリアに位置している。また新幹線が往来する線路など、重要なインフラ施設にも近接している。そのため、解体ガラの外部への落下や風散・飛散の防止、近隣への粉塵飛散、騒音等に関する対策を通常以上に徹底する必要がある。
 同工法では、粉塵の飛散・風散を伴う全ての作業を、外壁で囲まれた建物内部の密閉空間内で完結させることで、外部への粉塵の飛散・風散を抑える。
 また建物を大割ブロックに切断してタワークレーンで吊取り、建物内部に設けた開口部から吊下ろして解体していくため、吊荷が風の影響を受けることはなく外部へのコンクリート片等の落下リスクを最小限にしている。
 さらに騒音が発生するスラブの切断はあらかじめ外壁で囲まれた建物内部の密閉空間で行い、階上の作業は溶断による梁や外壁の解体のみとなるため、建物上方で騒音を発生することがなく、近隣のビルに伝播する騒音を抑えることができる。

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