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害虫を簡単・衛生的に駆除 飲食店入居ビルなどに提案

2022.04.04 11:18

大手通販サイトでも取り扱い開始
 大阪府堺市のリフォーム会社バリアホームでは、昨年春より新規事業としてゴキブリなどの害虫を衛生的に駆除・処理する器具「ゴキ すう~ぽん」の製造・販売を手がけており、飲食店が入居するビルなどに提案している。堀保社長に製品の特徴や開発の経緯などについて聞いた。

――「ゴキ すう~ぽん」について教えて下さい。
堀 電気掃除機のノズルの先端に取り付けて使用するボール紙製のアタッチメントです。100円ショップやドラッグストアなどで販売していますが、本格的な「害虫シーズン」を前に4月から大手通販サイトなどでも取り扱いが始まりました。価格は1個100円です。
――どのように使用するのですか。
堀 掃除機のスイッチを入れ、虫を吸い込むだけです。中に微細な網状のフィルターがついていますので、虫は掃除機本体内には吸い込まれません。また器具の内側は「とりもち」のように粘着性のある素材で覆われていますので、虫はそこに付着し動けなくなります。最後に蓋の役目をする綿状の白い球体を吸い込み、燃えるゴミとして処理します。虫に触れることもなければ姿を見ることもありません。虫が苦手な人でも簡単に駆除できます。
――どうして、これを開発しようと思ったのでしょうか。
堀 私自身、虫が苦手です。しかし、リフォームという仕事の性質上、古い家に入らなくてはなりません。キッチンなどを修繕するときに虫の姿を目にすることがよくあり、困っていました。また、私の自宅の近くには飲食店があるのですが、そこが燻蒸殺虫剤を使用すると、そこから多くの虫が自宅に逃げてくるのが悩みでした。「私のように虫が苦手な人でも駆除できる方法はないか」と考えました。
――スプレー式の殺虫剤を使用するのが一番手っ取り早いと思いますが。
堀 早さの面で言えばその通りなのですが、厨房など食べ物がある場所では、安全性を考えると気軽に殺虫剤を使えません。また、殺虫剤は虫を弱らせたり殺したりはしますが、その虫の処理まではしてくれません。虫が苦手な人は、例え死骸であっても、それを見たり、ティッシュで包んで捨てたりすることができません。この製品の開発過程で、多くの虫が苦手な人に話を聞きましたが、独居の女性などからは殺虫剤で殺したものの、死骸を処理することができず、家族や友人が来てくれるまでそのまま放置せざるを得ないという声が多く聞かれました。
 また、掃除機で吸ってしまうと「中で増殖してしまっているのではないか」との恐怖心から掃除機を開けることができず、掃除機本体ごと廃棄せざるを得ない、といった声も聞かれました。こうした声を元に、虫に触れず、虫を目にせず、手軽に、安価に処理できる方法として「ゴキすう~ぽん」を開発しました。
――販売先としては、どのようなところを想定していますか。
堀 一般家庭、飲食店や飲食ビルが主でしょうが、介護施設など厨房のある建物なども考えられます。軽く持ち運びに便利なので、建物オーナーや管理会社だけでなく、虫が出そうな古い家屋などを仕事で訪問する人にも適しています。例えば当社のようなリフォーム会社、遺品整理や家財整理事業者、家事代行や訪問介護・看板会社などが考えられます。

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