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竹中工務店の新「北海道地区FMセンター」 木造の「ウェルネスオフィス」が実現

2022.01.31 11:21

 竹中工務店(大阪市中央区)は、同社の「北海道地区FMセンター」の建て替えにあたり、脱炭素社会を目指した非住宅分野の建築における木材利用を推進することを目的に木造を採用。「木造木質中規模ウェルネスオフィス」が実現した。北海道の亜寒帯気候に適合した道内トップクラスの環境性能を持つことに加え、働く人材の健康増進や生産性向上にも貢献する。
 同センターは木造、地上2階、延床面積856㎡。同社北海道支店の中核拠点として、FM(ファシリティマネジメント)の視点から顧客の支援業務を行っている。
 オフィスなど大スパンの建物への一般流通木材の活用を可能にするために開発した新木架構システム「ダブルティンバー」(商標出願済)を初適用。通常は戸建住宅に使用される一般流通木材を活用し、100%道産木材(構造・仕上げ)による建築を達成した。一般的な鉄骨造建物と比べ、CO2の発生も70%低減させている。また執務スペースを「亜寒帯気候の縁側」で囲む入れ子構成とし、外壁には半透明で断熱性能の高い素材を採用。多くの日射を得ることで、冬季の暖房エネルギーを抑え環境性能と快適性を両立した。
 さらに、環境認証として「CASBEEスマートウェルネスオフィス」の最高位となる「Sランク」と、「建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)」の「星5つ(ZEB Ready)」を取得。今回の認証ではABW(Activity Based Working)に基づくプランニングや、豊富な地下水を利用した設備システム構築による省エネルギー化等について評価された。
 同社は今後、北海道における木造木質建築を推進することで持続可能な森づくりや木をめぐる産業の活性化、魅力的なまちづくりを目指し、北海道の森林資源循環に貢献する考え。また、同センターを亜寒帯の気候を考慮したウェルネスオフィスのプロトタイプとして活用することで、北海道においてより快適に働くことのできる建物を実現していくとしている。

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