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東京建物の木造賃貸マンション計画が「サステナブル建築物等先導事業」に採択

2021.12.27 11:40

 東京建物(東京都中央区)は、主要構造部にCLT(Cross Laminated Timber)パネル工法を採用した賃貸マンションプロジェクト「(仮称)洗足池プロジェクト」が、国土交通省が公募した「令和3年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されたと発表した。耐火性能や耐久性の向上など、構造における工夫が評価された。
 同プロジェクトは東京都大田区に総敷地面積1118㎡、建築面積564㎡、延床面積2069㎡、木造CLTパネル工法、一部RC造・地上6階、総戸数53戸の賃貸マンションを建設するもの。
 耐火性能に関する取組みとしては、木材を石膏ボードで覆った耐火構造に加え、一部に耐火性能基準に適合した難燃処理木質パネルを組み込むことで2時間の耐火性能を発揮する新たな試みを予定。
 構造に関する取組みとしては、CLT耐力壁の配置により、フロア同士の接合に使用する鉄骨の量を減らして建築手法の省力化を目指す。また、上下のCLT壁パネル間に鉄骨梁を組み込むことで曲げ戻し効果やめり込み解消などの効果があり、建物強度もコンクリートと変わらない計画となる。さらに、CLT耐力壁には、引張りとせん断の両方の力に対応するため開発されたグラウトジョイント接合の採用を予定。
 木造建築物普及に向けた取り組みとしては、施工過程を記録するとともに、エンジニアリングレポート(物件状況の調査報告書)等で建物耐用年数の検証を実施することにより、不動産としての付加価値向上に取り組み、木造建築物の普及促進に努めていく。

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