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野村不動産の「(仮称)溜池プロジェクト」が令和3年度サステナブル建築物に採択

2021.12.27 11:44

 野村不動産(東京都新宿区)は、「野村不動産溜池ビル」の建て替え事業として同社が推進する「(仮称)溜池プロジェクト」が、木造建築物に係る技術の進展及び普及啓発を図ることを目的とした、国土交通省の「令和3年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されたと発表した。竣工は2023年10月を予定している。
 今回の採択では、野村不動産が事業企画・監修を行い、清水建設(東京都中央区)のハイブリット木質構法「シミズハイウッド」を活用し、木質部材である柱・梁・スラブを鉄骨造と合理的に組み合わせることで、高い耐震性能・耐火性を確保しつつ心地よい無柱の木質オフィス空間を実現したことが評価された。
 建物は鉄骨造一部木造地上9階地下1階のオフィスビルで、木の使用量(約500m3)と使用率(約0・09m3/㎡)を最大化させた。木材を建材として利用することで、建設時のCO2排出量は約100tを削減。木材が成長段階で吸収するCO2約320tの固定化を実現する。
 外観デザインは、木質耐火構造部材による木格子ファサードにより、端正で印象的な都市景観を創出する。木格子部を透明ガラスでケーシングすることで、美観保持と木の見える化を両立しつつ、ビジョン部はLow-e複層ガラスを採用し断熱性能と遮熱性能を確保。また、CLTスラブを用いることでオフィス内天井を木質化し、木の素材感を感じられる快適なオフィス空間を提供する。

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