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GMOグローバルサイン/東急リバブル 不動産電子取引に向け研究を開始 マイナンバーカードを電子署名として活用

2021.12.13 14:27

 GMOグローバルサイン・ホールディングス(東京都渋谷区)と東急リバブル(東京都渋谷区)は8日に業務提携し、マイナンバーカードを利用した本人認証による不動産売買契約の電子署名実用化に向けた研究開発を開始した。
 マイナンバーカードに実印相当の効力をもたせて契約できるようにするもので、不動産売買契約では日本初。実用化されると、不動産売主、買主、仲介業者のコストや手間が改善されることに加え、これまで以上に高い信頼性の本人確認を実現できることから、取引の信頼性を向上させることができるという。
 スマホとマイナンバーカードだけで本人確認ができ、これまで求められてきた「実印相当の効力をもつ電子契約による本人確認書類」も不要となる。また、手書き署名が無くなることで契約手続きの手間が削減され、関係書類がクラウド上で閲覧できるようになるため、紙の書類の持ち運びも不要になる。さらに、遠隔地にいても不動産売買契約手続きが可能となり、不動産売買契約書に貼付する印紙代も不要となる。
 認証の仕組みは、署名依頼を受けた顧客がスマートフォンアプリをインストールしマイナンバーカードをかざすと、公的個人認証サービス「地方公共団体情報システム機構(J-LIS)」を通して本人確認を行った上で、パブリック認証局となっているGMOグローバルサイン(東京都渋谷区)が電子証明書を発行。発行した電子証明書で実印相当の電子署名を行えるようになる。この電子証明書の発行に際し、公的個人認証サービスにおいて本人確認が実行されるため、不動産売買契約の当事者を特定できる。同時に犯罪収益移転防止法で規定されている本人確認も完了する。
 GMOグローバルサイン・HDと東急リバブルは、共同研究開発に注力し来春を目途に実用化したいとしている。来るべき不動産取引のデジタル化時代に備え、安全な取引の実現、関係書類保管のクラウド化も推進。不動産取引の更なる利便性向上と業務効率化を図る考えだ。

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