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三菱地所が新会社「膝栗毛」設立 JTBコミュニケーションデザインと共同で新サービス

2021.12.06 12:00

 三菱地所(東京都千代田区)は、新会社の株式会社膝栗毛(東京都千代田区)を設立。JTBコミュニケーションデザイン(東京都港区、以下JCD)と共同で新サービスの「膝栗毛-HIZAKURIGE」を提供開始した。

 三菱地所は新会社の「膝栗毛」を設立。JTBコミュニケーションデザイン(東京都港区、以下JCD)と共同でデジタルとリアルを組み合わせた新しい歩き旅体験を通じて地域のにぎわいを創出する新サービス「膝栗毛―HIZAKURIGE」を提供開始した。先月25日には事業発表会が行われ、膝栗毛の代表取締役を務める米田大典氏が登壇し、事業の詳細や展望を語った。
 スマートフォンアプリ「膝栗毛―HIZAKURIGE」は、三菱地所の「新事業提案制度」を通じて実現したサービス。「身近なまちの、何気ない道を、エンターテイメントに」をコンセプトに、今までは通り過ぎていた身近なまちや道の歩き旅を楽しめるコンテンツを開発・提供する。利用者はアプリ上にマッピングされた歩き旅ルートを歩きながら、固有の歴史や郷土文化などを盛り込んだ地域ならではのオリジナルマガジンで旅先の情報を収集に加え、旅の途中にある特定のスポットではGPS連動型音声ガイドを楽しめる。歩き旅ルートごとに設定された提携店舗の「膝栗毛茶屋」では、他のユーザーや膝栗毛茶屋の店員とのコミュニケーションも楽しめる。
 大手不動産デベロッパーである同社がこのような新しい取り組みを始めた背景について米田氏は「三菱地所はこれまでハードの開発をして、そこにオフィスやホテルや商業施設といった機能を入れていきました合わせていきました。反面、全国にはハードを開発できない場所がたくさんあることも事実です。そういった地域こそ人の流れが失われ、その地域の方々が残したい文化や風景が失われていることに気づき、何とかしたいという思いが募っていました。そこには新しいものを作らなくても十分に魅力的な文化や歴史があります。この魅力をコンテンツ化して人々に知ってもらうことが、人の流れを生み、ハードを伴わない街づくり事業に繋がると考えました」と語った。
 発表会には「膝栗毛茶屋」の提携店舗から、品川宿の「KAIDO books&coffee」責任者の佐藤亮太氏、オンラインで京都信用金庫の「QUESTION」副館長を務める津田郁太氏が参加。発表会の後半では実際に街を歩き、「膝栗毛―HIZAKURIGE」の体験も行われた。今後は「東海道五十三次」に限らず、地方自治体や商店街、企業等と連携しながら、様々なエリアの地域資源を生かしたコンテンツを作成し、歩き旅イベントなどを通じて賑わいを創出する施策も行っていくという。

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