週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

「ほくほく札幌ビル」着工 北海道銀と北陸銀共同で

2021.11.15 11:19

 ほくほくフィナンシャルグループ(富山県富山市)傘下の北陸銀行(富山県富山市)と北海道銀行(札幌市中央区)は、2社が共同で活用する「ほくほく札幌ビル」を、北陸銀行札幌支店の跡地に着工すると発表した。竣工は2024年1月を予定している。
 北陸銀行札幌支店は1910年に開業し、1966年の移転後53年にわたり営業してきたが、建物の老朽化に伴い今春解体された。
 跡地に建つのは、敷地面積1597㎡、延床面積1万7350㎡、鉄骨造(一部鉄筋鉄骨コンクリート造)・鉄筋コンクリート造の地上13階地下3階のオフィスビル。2階に北陸銀行札幌支店、上階には北海道銀行の本部機能およびグループ企業を移設する。また、地下2階部分では地下街、地下3階部分では札幌市営地下鉄と接続し、1階と地下2階にはテナントを誘致する。
 外観は雪の結晶をモチーフとする。ほくほくフィナンシャルグループの「青」、北陸銀行の「赤」、北海道銀行の「緑」は光の三原色であり、これらの色を混ぜ合わせると白となることから融合のシンボルとして白を基調とする外観とした。
 フロアは設置する壁をできる限り減らし柔軟に職場環境を整備できるフロアにする。また各フロアにはオールジェンダー対応トイレを設置するなど、多様性に配慮する。オープンスペースには緑あふれる植物やギャラリーコーナーを設置し、バリアフリーを最大限採用するなど、来館客が安心してくつろげる空間を提供する。
 BCP対応としては、大規模地震を想定して建物を制震構造とし、非常時には電気・水を72時間利用できる設備を設置し、災害時の事業継続に備える。またオープンスペースでは施設外の帰宅困難者100人を受け入れることができ、地域の災害対策に貢献する。
 環境負荷の低減としては、脱炭素化および省エネルギーを促進するため、札幌市の建築環境総合性評価システムである「CASBEE札幌」Aランク相当の機能性と環境性を確保する。また、木質バイオマス燃料を採用している地域冷暖房(DHC)による高温水を利用し、ヒートアイランドを抑制するなどクリーンエネルギーの活用に努める。

PAGE TOPへ