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東洋ハウジング 木製パネルで15階ビルを建設へ CLTパネル工法初の高層計画を始動
2021.11.08 14:20
東洋ハウジング(千葉県鎌ケ谷市)は1日、世界で初めてCLTパネル工法を14層で用いた地上15階のビルを建設するプロジェクト「東洋木のまちプロジェクト(高層棟)」を始動した。
CLTパネル工法とは、木目が直交するように重ねて接着した木板(CLTパネル)を構造材として建物を建てる工法で、大判のパネルをそのまま壁や床とする。工期が短く、パネル製造時のCO2排出量も少ない。建築重量も軽量化でき、耐震性、耐火性にも優れるとされている。
「東洋木のまちプロジェクト(高層棟)」はの建設地は千葉県鎌ケ谷市。敷地面積1142㎡、延床面積2875㎡、地上15階。1階をRC造、2~15階を木造(CLTパネル工法)とし、店舗・事務所併用の高層共同住宅となる予定。国土交通省サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)の採択を受けており、2023年11月の竣工を予定している。
基礎部に免振装置を設置し、地震力を低減した上でCLT耐力壁を放射状に配置して引き抜き力を低減し、上階から下階の壁に直接圧縮力を伝えることで床へのめり込みを防ぐ等の構造面の工夫を行っている。それにより、CLTパネル工法によるこれまでの階数を大幅に上回る14層分を木造とする計画を実現した。防火面については、外壁2時間の耐火の大臣認定を取得した上で、認定仕様をオープン化する。
地域の工務店による施工が可能なように接合方法等に配慮するとともに、壁には国産ヒノキCLTを、床版には国産スギCLTを用いる合理的な木材利用計画。二酸化炭素の貯蔵量は約1678トンで、一般の約100㎡の住宅のおよそ100棟分に相当するという。また今回のプロジェクトでは、木造商業施設の低層棟と住宅のモデルハウスもCLTパネル工法で建設する予定となっている。