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シェアオフィス 虎ノ門・恵比寿で展開 今後は様々な形で拠点拡大へ

2021.10.04 12:02

 Compass Officesは、2009年に香港で誕生したシェアオフィス・コワーキングスペースの運営事業社。アジアやオセアニアを中心に9都市50拠点。1万1000人以上の顧客を抱える。
 日本では虎ノ門と恵比寿で展開。虎ノ門オフィスは2011年、東京メトロ「神谷町」駅直結の「虎ノ門40MTビル」7階に開設した。面積は328坪。区画は2~3名の小スペースから25名までの大区画まで用意。入居者は内装工事や原状回復工事、保証会社等が不要で、月・年単位で契約期間を設定できる。共用設備は、リフレッシュも兼ねた休憩スペース、会議室、またコワーキングスペース等があり、個室等のセキュリティ対策は厳重。バイリンガルスタッフが常駐するため、外資系企業の日本オフィスとしても好まれている。一方2020年1月にオープンした恵比寿は「恵比寿グリーングラス」6~9階の4フロアで開業。1フロア90坪ほどだが、各フロアで特色や用途を変化させ、6階には187㎡の広々としたラウンジ空間を設けた。オフィスとラウンジをその時の気分や仕事内容で使い分け、会員同士のコミュニケーションも図れる。
 運営するCompass Offices Japan(東京都中央区)カントリーマネージャーの森川和哉氏は「ラウンジやオフィススペースを確保しつつ、カスタマーサービスの提供及び拡充を進め、小回りの効いたサービスを展開してきました。今後の方針としては機能性や至便性を維持しながら、拠点数を増やすこと。対象エリアは都内、もしくは都市部の周辺地域で徐々に拡充してゆく想定です」と語った。
 同社ではビルオーナーに対して、シェアオフィスやコワーキングスペースの運営受託(オペレーター業務)も行っている。提案は主に、「テナントとしての入居」、オーナーが内装施工を行った後に「オペレーター業務のみを担当する」、更にオペレーター業務を請け負いつつ、オーナーと同社での「費用・売上のシェア」の3つだ。契約内容は物件のスペックや立地環境等にも左右されるが、同社としては単なるコワーキングスペースの展開を考えてはいない。ラウンジ(コワーキング)とシェアオフィスで構成されつつ、顧客の快適な執務環境を整えることを重視する。
 森川氏は「当社ではコワーキングスペースを確保する場合、基準の面積として『300坪以上』と設定しており、最低でも150~200坪は必要でしょうか。ビルは新耐震が好ましく、旧耐震での展開は難しいでしょう。都心の築浅オフィスビルを対象に、拠点の拡充に注力してゆきます」と対象物件も踏まえて指摘した。

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