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JR「春日井」駅前の大規模複合開発 「さくらす春日井」竣工

2021.08.23 15:24

 矢作建設工業(名古屋市東区)、野村不動産(東京都新宿区)及び岡谷鋼機(名古屋市中区)の3社は、地権者や地域住民と推進していた「JR春日井駅南東地区第一種市街地再開発事業(名称:さくらす春日井)」が竣工したと発表した。
 同事業は名古屋市の北東部に位置するJR中央本線「春日井」駅南側の一帯を再開発するもの。開発に先立つ2015年2月に春日井市によって策定された「JR春日井駅周辺地区市街地総合再生計画」では、商業機能の低下や、細分化した低未利用地が多く存在し、駅前にふさわしい土地利用が図られていない点が課題として挙げられていた。
 事業はこのような状況を踏まえ、同市が実施した自由通路や橋上駅舎整備など交通結節点機能の強化を核として、駅周辺のにぎわい創出を目指し、民間活力の誘導を図る等の取組みを推進する。
 開発地は「名古屋」駅まで約20分の交通利便性の高い立地。自由通路開通によって利便性の高まった駅南口に、都市機能が集約されたコンパクトシティ形成への貢献を目指し、暮らしの基盤となる住宅、にぎわいを創出する商業施設、地域に貢献する子育て支援施設など多様な都市機能を整備。駅周辺の活性化につながる複合再開発として、南口を明るくにぎわいのある景色に変える、シンボリックな再開発事業と位置づけられている。
 施設全体の規模は敷地面積3899㎡、建築面積2495㎡、延床面積1万9718㎡で、住宅棟と商業・業務棟、駐車場棟からなる。
 住宅機能を担う「プラウドタワー春日井」は戸数132戸、地上23階の基礎免震構造を採用。野村不動産、岡谷鋼機が参加組合員として住宅部分を保留床として取得し、2020年6月より分譲を行っている。
 地上5階の商業・業務棟「さくらす春日井」の1階にはコンビニエンスストア、調剤薬局が入居。2階には民間小規模保育事業所の入居を予定。3階一部には子供の一時預かり施設が入居する。また、3階の一部と4階にはクリニックの入居が検討されている。5階には東京海上日動パートナーズ東海北陸(名古屋市中区)のオフィスが入居する。
 4層5階の駐車場棟「さくらす春日井パーキング」は182台が収容可能な自走式駐車場で、マンション居住者と商業・業務棟利用者が併用する。

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