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日経新聞旧大阪本社跡地 「大阪・大手前一丁目プロジェクト」着工

2021.08.10 11:49

 日本経済新聞社(東京都千代田区)と大和ハウス工業(大阪市北区)は今月1日、大阪市中央区の「日本経済新聞社旧大阪本社」跡地で、複合施設「大阪・大手前一丁目プロジェクト」を着工した。竣工は2023年12月31日を予定している。
 同施設の建設地は「大手前地区 地区計画」が定められている。情報発信、業務、宿泊等の多様な機能導入により、都市魅力の充実と大阪城公園の玄関口としての観光拠点機能の強化を図り、「天満橋」駅と大阪城公園を結ぶ歩行者空間を創出。快適で魅力ある複合拠点の形成を目標としている。
 同施設は敷地面積4372㎡、延床面積3万8809㎡、建築面積2760㎡、テレビ局・ホテル・事務所を用途とする複合施設。
 1~4階は日本経済新聞社が区分所有し、日経グループの情報発信拠点として、テレビ大阪(大阪市中央区)が新本社として使用する。セキュリティや防災性の高いビルへの移転により、放送機能の更新と放送の継続性を一層強化する。イベントの開催、天神祭りの生中継など賑わいを演出し、地域の活性化を図っていく。
 6~20階は大和ハウス工業が区分所有し、ヒルトン(米国バージニア州)関西初のブランドとなる「ダブルツリーbyヒルトン大阪城」がオープンする。総客室377室を要するほか、レストラン、カフェバー、ロビーラウンジ、フィットネス・プール、エグゼクティブラウンジ、宴会・会議室などを備える予定。
 外観デザインは「和模様」をコンセプトとし、隣接する大阪城の白壁や石垣、日本古来の市松模様など日本的な要素を取り入れた。また、寝屋川沿いには水辺に桜を配した、大阪城公園へと続くテラス空間を設け、敷地の北西には憩いと賑わいの空間となる多目的広場を整備し一般に開放する。
 更に災害時には、デジタルサイネージによる情報発信を行うとともに、1階エントランスを一時避難スペースとして開放するなど、防災面での地域配慮も行う。
 開発を推進する両社では同施設を、水と緑が豊かで交通至便な大手前地区にあって、メディアと観光の複合拠点を形成するランドマークとなるプロジェクトと位置づける。地域へ情報を発信するテレビ局と国内外の観光客に高いレベルのサービスを提供するホテルを一体的に開発すると同時に、地域に貢献できる空間整備を行うとしている。

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