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エリーパワー 無瞬断UPS搭載の産業用蓄電システム 小型化及び割安な値段を実現

2021.08.10 11:54

 エリーパワー(東京都品川区)は今年2月から、非常用電源に特化した無瞬断UPS搭載の産業用蓄電システム「Power Storager D20(パワーストレージャー・ディー・トゥエンティ)」を発売している。
 「Power Storager D20」は、物流倉庫や大型ビル等の設置に適している従前の産業用蓄電システムの機能を絞り、導入費用を抑えた蓄電システム。単相100Vと200V、三相200Vに対応でき、蓄電容量は 21・7kWh、43・4kWh、65・1kWhの3タイプを用意した。内蔵しているリチウムイオン電池は国内の自社工場で製造し、発煙・発火しない安全性と繰り返しフル充放電に強い1万2000回サイクル/電池容量保持率80%を実現した耐久性及び長寿命、優れた温度特性をもつ。元々は大和ハウス工業(大阪市北区)の物流倉庫への設置を目的に開発され、現在既に20台以上納入されている。オフィスビルにおいては、中央監視室や空調設備、セキュリティーシステムのバックアップ等に。工場では製造装置のバックアップ、倉庫ではシャッターや空調、照明機器のバックアップ用に最適とのこと。また普段は充電・放電を行うことで、受電電力のピークシフトにも活用できる。
 営業第三部長の盆子原光郎氏は「『Power Storager D20』は無瞬断UPSを搭載しているので、突発的な停電でも瞬断時間なく蓄電池に切り替えが可能です。実は瞬断時間なく切り替え可能な蓄電池は少なく、ネットワークシステムのバックアップとして無瞬断の切り替えは、魅力的な性能と思われます。加えてBCP対策としても有効です。近年頻発する大規模な自然災害による停電が多くの地域で発生しており、オフィスビルや工場のBCP対策として蓄電設備の設置需要が増えています。導入ネックとなる価格を抑えるため、非常用電源として機能を絞ることで低価格化を実現しました」と魅力を語った。
 物流倉庫以外からの問い合わせや設置も多い。例えば、銀行など、災害時における本社と支店との連絡やBCP対策として設置を求める事例が増えている。導入しやすい価格と、それでいて高い安全性能や機能性を有していることで選ばれている。また地方自治体からの問い合わせも多く、各行政の管理する施設や災害避難所等に設置を検討するケースが増えてきている。盆子原氏は「既に引き合いは100件以上あり、ビルでの設置事例や地方自治体からの問い合わせも増えています。今後更に様々な施設への設置が加速していくと思います」と語った。

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