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「世界貿易センタービル」建替え計画を一部変更 地域緑化やインバウンド向け観光体験機能、MICE機能など整備へ

2021.07.19 12:10

 東京都港区浜松町の「世界貿易センタービル」の建替え計画が一部変更になった。従来からの高層ビル建築計画に、緑化と観光体験機能、国際水準の宿泊・MICE機能、DMO(観光地域づくり)活動拠点などの整備が新たに加えられた。
 建替え事業を推進する世界貿易センタービルディング(東京都港区)、鹿島建設(東京都港区)、東京モノレール(東京都港区)、東日本旅客鉄道(東京都渋谷区)の各社は、今回の計画地である「都市再生特別地区(浜松町二丁目4地区)」A街区における都市計画の変更手続きを開始。竣工は2029年度を予定している。新築される建物は3棟で、総敷地面積約2万1000㎡、合計延床面積31万4000㎡。建物は本館である「A-1棟」、ターミナルである「A-2棟」、竣工済である南館「A-3棟」で構成される。A-1棟は地上46階地下3階。A-2棟は地上8階地下3階。
 計画変更は社会的背景の変化と周辺環境の変化への対応によるもので、当初の都市計画提案において整備される「交通結節機能の強化」、「国際交流拠点の形成」、「交通結節点における防災機能の強化と環境負荷低減」に加え、「観光拠点・都心型MICE拠点の形成」、「防災性向上と環境負荷低減への一層の取組」を踏まえた整備を行うこととなった。陸・海・空の交通結節点である浜松町に相応しい拠点づくりを行っていくという。
 建物低層部では緑化計画を見直し、旧芝離宮恩賜庭園や隣接街区、大門通りなど、周辺環境との緑の連続性を強化する。
 また、陸・海・空の玄関口としての立地特性を生かし、東京、港区、「浜松町」駅周辺エリア、更には日本各地の新たな魅力や楽しみ方を、多言語でのデジタル・リアル体験を通じて訪日外国人旅行者に情報発信する「観光プレ体験施設」を整備し、各観光地への理解度・興味関心の向上による現地への訪問意欲の向上や日本への再訪意欲の喚起を図る。
 さらにレジャー・ビジネス両面の訪日外国人の短期滞在ニーズに対応した世界的知名度を有する国際水準の宿泊施設を整備し、「浜松町」駅周辺エリアのMICE開催地・観光地としての魅力向上、地域ブランド醸成に寄与する。MICE主催者の視察受け入れやエリアの魅力の発信、事務所機能などに活用するDMOの活動拠点も整備する予定。

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