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コミュニティ型コワーキングスペース&シェアキッチン「CoworkingSpaceFlat Cafe&Bar」20~50代に自宅近くで快適に働ける場提供

2021.06.21 14:14

 今年2月にグロードジャパン(千葉県松戸市)は、JR「新松戸」駅から徒歩10分の「SBC第一ビル」2階でコミュニティ型コワーキングスペース&シェアキッチン「CoworkingSpaceFlat Cafe&Bar(以下、フラット)」を開設した。
 フラットは、月額会員としての利用やドロップイン(一時利用)も可能なコワーキングスペースと喫茶や軽食を楽しめるカフェエリアで形成された飲食店併設のシェアオフィス。一般的なデスクワークには個室や半個室、ソファー席等が設置されたコワーキングスペースを活用でき、雑談やリラックス等にはカフェエリアが活用できる。ウェブ会議に利用できる防音室、読書や資格取得などの自習に適した1人用のソファー席、小上がりも用意。Wi-Fiや各席電源、大きな画面で働けるモニターも無償で貸している。更に徒歩3分の場所には、個室の打ち合わせスペースを確保。ワークショップやパーティ、習い事などにも柔軟に対応可能なことから、近隣に暮らすワーカーの多様なニーズに適応できる。
 同オフィスを開設した施設代表の花泉裕一郎氏は、従前千葉から都内へ通勤する会社員であった。18年間の通勤生活を経て、鉄道輸送のキャパシティを超えてもなお続くビル開発への疑問やコロナ禍での「東京一極集中の限界」を感じるようになった。更に昨年在宅勤務を経験し、自宅のリビングでの長時間座って働くことの難しさも体感。これらの経験から在宅で仕事を行い、モチベーションの維持に苦慮している20~50代をターゲットにした「自宅近くで快適に働ける場」の形成を思案し出した。花泉氏は「日頃から『飲食店をやりたい』と語っていた妻の構想を掛け合わせることで、新しい事業を生み出せるのではないかと考えました。夫婦で運営しているワーキングスペース兼飲食店は、『地域住民からも安心感を得やすいのではないか』や『周りの皆さんも来やすいのではないか』と思い、取り掛かりました」と語る。
 主な利用者層は20~50代で、男女の内訳は男性7割・女性3割。会社員やフリーランス、マンガ家等の在宅ワーカーをはじめ学生の利用もある。層は幅広く、内8割は「仕事」目的だ。小さな子供を持つ家庭が「家で仕事ができない」との理由から利用する様子もある。ちなみに平日9~18時までは時間貸しのコワーキングスペース。18~20時まではワンドリンク制となる。また土日祝日は11~20時までカフェ・バーが営業する。住所登録や法人登録といった登記も可能だ。
 花泉氏は「当施設は新松戸の地元に住む夫婦で運営しており、近隣住民が安心して利用できる『場』の提供を可能としました。大手のコワーキング施設のような綺麗な自習室という感じではなく、地元の方々の憩いの場のようなところが差別化であり、独特の魅力と思います。カフェ・バーとコワーキングスペースが一体であるところが、より地域に愛されやすくなっていくのだと考えております」と指摘した。

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