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東急不動産が初の都市型物流施設を着工 江東区南砂の市街地に延床1.6万㎡、6層のマルチテナント型

2021.06.07 11:11

 東急不動産(東京都渋谷区)は、自社で展開する物流施設シリーズ「LOGI‘Q(ロジック)」ブランドの新施設「LOGI’Q南砂町」を着工した。竣工は2022年5月末を予定している。
 開発地は東京都江東区。建物は敷地面積5554㎡、延床面積1万6600㎡、貸床面積1万4503㎡、S造、地上6階建てのマルチテナント型物流施設。同社独自開発としては初の都市型開発物件だ。首都高速中央環状線「清新町IC」から約2・8km、同9号深川線「木場IC」から約4kmと、都心部エリアはもちろん関東全域へ即日配送可能な立地を確保した。加えて、東京メトロ「南砂町」駅から約1・4km、最寄りの都営バス「葛西橋」バス停から徒歩1分と、倉庫内で勤務する人材確保に恵まれた立地となっている。
 庫内の保管効率を高めるため倉庫内部の間仕切り壁は全て防火シャッターとし、また上下搬送能力を高めるべく、一般的なものよりも搬送スピードが高い荷物用EVと垂直搬送機を設置する予定。有効天井高5・5m、床荷重1・5t/㎡の基本スペックに加え、庫内照度も300Lxとすることでピッキングや伝票確認といった庫内作業の効率化を図る。
 BCP対策として非常用発電機を設置予定で、停電時などもオペレーションへの影響を最小限に抑える。また、河川の氾濫等に備え、キュービクル、室外機等の各種設備機器及び防災センターを同社想定浸水ラインよりも上部に設置することにより、災害時の影響を抑制し、機能回復までの時間を短縮する。
 さらに、施設従業員の職場環境にも配慮。木調でインテリアを統一し、シンボルツリーなどを配置して居心地のいい空間に仕上げる。最上階共用部には食事や休憩ができるラウンジを設置し、屋根付きのオープンテラスも併設するなど従業員がリフレッシュできるスペースを設ける予定。
 さらに、さまざまな検査や検証、試験などを実施するSGSジャパン(横浜市保土ケ谷区)が発行する「竣工前評価証明書」も取得した。重要書類や医療品、貴金属、精密機械他など、高付加価値かつハイリスクな商品を保管する場合の、建物セキュリティに関する物件選定の判断基準に用いることができる。同認証は共用部を含めた建物全体で取得しているため、テナント企業が入居後に専有部内で個別認証を取得するのが容易になる。東急不動産では、ハイリスク荷物に対して運用コスト低減のメリットが出る可能性があるとしている。

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