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「新さっぽろ駅周辺地区G・I街区開発プロジェクト」G街区が竣工

2021.03.01 11:28

I街区第1工区・第3工区にはタワマン・商業・ホテルなどを開発へ
 大和ハウス工業(大阪市北区)は2月24日、札幌市厚別区の「市営住宅下野幌団地」跡地などで開発中の「新さっぽろ駅周辺地区G・I街区開発プロジェクト」のうちG街区(札幌学院大学・滋慶学園札幌看護医療専門学校)が竣工し、I街区の第1工区(医療施設・共用駐車場)・第3工区(分譲マンション「プレミストタワー新さっぽろ」)の概要が決定したと発表した。
 同開発プロジェクトは、大和ハウス工業が大和リース(大阪市中央区)、新さっぽろ脳神経外科病院(札幌市厚別区)、新札幌整形外科病院(札幌市厚別区)、交雄会メディカル記念塔病院(札幌市厚別区)、札幌学院大学(北海道江別市)、滋慶学園札幌看護医療専門学校(東京都江戸川区)の6者と共同で推進している。
 今回竣工したG街区には札幌学院大と札幌看護医療専門学校の校舎を新築。札幌学院大の校舎は敷地面積1万1460㎡、建築面積2690㎡、延床面積1万2450㎡の地上6階で、経済経営学部と大学院地域社会マネジメント研究科が設けられる。2022年度には江別市の校舎から心理学部と大学院臨床心理学科、心理臨床センターが移転。さらに学内に設置される社会連携センターや図書館、カフェテリアなどを市民にも開放する。
 札幌看護医療専門学校は敷地面積4960㎡、建築面積1280㎡、延床面積5900㎡の地上5階。看護学科、視能訓練士学科、歯科衛生士学科、臨床工学技士学科を今年4月に開設し、区民と学生が一緒に学べる医療セミナーの開催も計画している。両校は学術交流協定を締結しており、地域を結ぶ「産学連携」においても協力していく。
 一方のI街区は2023年に開業予定。分譲マンション「プレミストタワー新さっぽろ」をはじめ、ホテルや商業施設、共用駐車場のほか医療施設4棟を建設。隣接する子育て支援施設とあわせ、エリアに新しい都市機能を充実させることを目指す。さらにJR「新札幌」駅とI街区の各施設を「アクティブリンク」と名付けた屋内空中歩廊でつなぎ、季節や天候に左右されない歩行動線を確保。憩いの場となる公園「アクティブガーデン」や、低炭素で災害に強いエネルギーセンターを設置し、I街区全体に電気と熱エネルギーを供給する計画だ。
 新さっぽろ駅周辺地区は札幌市の「副都心」に位置付けられている。JR、地下鉄、バスターミナルなどによる交通結節点として、公共施設や商業・業務機能が集積。札幌市が2013年度に策定した「札幌市まちづくり戦略ビジョン」では地域交流拠点に位置付けられており、重点的なまちづくりを推進する地区とされている。エリア内にある市営住宅建替えで発生する余剰地の利活用方法の検討も含め、2015年には新たなのまちづくり計画を策定。今回の再開発はその一環。

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