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三菱地所 2つのプロジェクトでウッドデザイン賞2020を受賞

2020.12.28 14:07

 三菱地所(東京都千代田区)の2つのプロジェクトが「ウッドデザイン賞 2020」を受賞した。
 今回受賞したのは「CLT PARK HARUMI」と「PARK WOOD office iwamotocho」。
 「CLT PARK HARUMI」は191件が選出されたライフスタイルデザイン部門で「優秀賞(林野庁長官賞)」を受賞した。国産CLT(直交集成材)の魅力を国内外にアピールすることを主目的とした仮設展示施設で、鉄骨造との混構造によるパビリオン棟、パネル工法による屋内展示棟の2棟からなり、いずれもCLTを用いた多様な空間を実現した。施設は入場無料で子供向けコンテンツも盛り込み、来訪者が気楽に木のぬくもりを感じることができる場を創出している。使用されたCLTは施設で役割を終えた後、産出地である岡山県真庭市に移築し、恒久的な建築物として再活用する。持続可能社会を実現し、地方創生へも繋がるモデルプロジェクトだ。
 評価のポイントはCLTのショーケースとして、子どもや来場者が木に触れその魅力を感じることができる空間。多様な工法による多様な空間、端材を使ったテーブルやスツールなど、随所に木を感じられる仕掛けを施している。地域材を活用し、都心で使用した後、解体移築し、また里帰りさせるという木造建築ならではの都市と地方を結ぶ循環型経済モデルとしても独創的な取組だ。
 「PARK WOOD office iwamotocho」は、国産材を用いたCLTを床構造材に採用した8階建てオフィスビル。CLTを構造材とした6階以上の事務所建築といては国内初で、高層非住宅建物におけるCLT利用のモデルケースとして計画し、施工性・経済性を向上させる設計及び新仕様開発に取り組んだ。外装には木ルーバーを使用し、密集市街地での視線制御と木材の積極的な利用を両立。内装においても積極的に木材を使用し、木のぬくもりを感じられるワークスペースを創出した。

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