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ストライク 7-9月期の業界M&Aは5件 金額は最高6億円で低位、コロナ影響

2020.10.26 10:40

 M&A仲介のストライク(東京都千代田区)は住宅・不動産業界の2020年7―9月のM&A発表件数を公表した。件数は5件で、7―9月としては2011年以降の10年間では2018年(6件)に次ぐ4番目となった。取引金額は約6億円で、7―9月としては2011年以降の10年間では2015年(56億4000万円)に次ぐ8番目(下位から3番目)だった。2017年(8件)以降の3年間の件数は高水準だったが、2020年は前年(11件)の半分以下に縮小した。金額も最高額が6億円と少額だったため、低位にとどまった。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた景気低迷がM&A市場にも悪影響を及ぼしているものの、競争激化による規模拡大や選択と集中、事業承継などの需要が多く、なお一定の高水準を維持している。
 全上場企業に義務づけられた東証適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について集計した。
 金額のトップは、集客代行事業を手がけるキャリアインデックスがインターネットメディア事業のType Bee Group(東京都世田谷区)から「キャッシュバック賃貸」事業を取得することを決めた案件で、取得価格は6億円。
 不動産賃貸領域での事業基盤を強化するのが狙いで、2019年12月にリブセンスから不動産賃貸情報サイト「DOOR賃貸」を買収したのに次ぐ第二弾となる。
 キャリアインデックスは人材領域の情報サイト(転職情報、アルバイト・派遣情報)を主力とし、求人に関連するユーザー情報をパートナー各社に移送することで、移送数に応じた集客代行料金を得る成果報酬型の事業を手がけており、新規進出した不動産賃貸領域でも同様の事業モデルを展開している。
 金額の2番目は、集合住宅向けネット接続サービスなどを手がけるギガプライズが不動産仲介子会社のフォーメンバーズ(東京都中央区)を、フォーメンバーズ社長の矢野晃教氏に譲渡した案件で、譲渡価格は2056円。
 フォーメンバーズはイオンモールが運営する不動産仲介「イオンハウジング」の加盟店舗の運営、管理事業を手がけ、ギガプライズが2015年に持ち分法適用関連会社としたあと、2017年に保有比率を51%に高めていた。経営資源を主力事業に集中するため売却に踏み切った。
 このほかに金額非公表2件と、株式交換1件があった。

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