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住友林業と東京大学 10年間の産学共創協定を締結「木や植物の新たな価値創造」をテーマに研究

2020.10.05 11:05

 住友林業(東京都千代田区)と東京大学(東京都文京区)が、産学協創協定を締結した。「木や植物の新たな価値創造による再生循環型未来社会協創事業」を推進する。
 同事業は木の最先端科学研究を通じて「木の価値」を高め、木質資源の循環利用で「サーキュラーバイオエコノミーシステム(循環型共生経済)」を構築。持続可能で人と地球環境にやさしい未来社会を実現することを目的とする。事業期間は10年で、事業費は10億円。
 木や植物の経済的価値の向上、森林資源の公益的価値の顕在化、木や植物と人の関係の定量化の3つの視点から多角的に協創を推進し、人材育成およびベンチャー企業との協業にも取り組む。
 木造大型建築に関する研究をはじめ、木材成分から高性能なバイオプラスチックを創製する研究、ナノテクノロジーの利用による高性能部材を開発する研究等も推進。また多角的な視点から森林資源の公益的価値を可視化することで、有益な木材の計画的・安定的な供給に貢献することなどを目指す。
 さらに、東京大学の未来社会協創基金の中に住友林業の寄付でプレミアム基金を新設。次の100年に向けて森を起点としたサステナブルな産業構造を構築するため、必要な学術研究や人材を育成しその成果を社会に発信する予定だ。SDGs達成に向けた課題解決できる人材の育成、住友林業の持つ海外拠点を活かしたグローバルインターンシップ、社会人のリカレント教育、住友林業と東京大学関連ベンチャー企業との協業などにも取り組む。
 運営については、「住友林業・東京大学『緑の再生循環型 未来社会協創事業』運営協議会」を東京大学内に設置。具体的な研究テーマは、東京大学・住友林業および専門家によるラウンドテーブルディスカッションを定期的に開催して決定。それに基づき新しい研究プロジェクトを立ち上げるなど、柔軟な展開を図る。得られた成果は両者が共通して掲げる課題解決に向けてさらに展開を進める。

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