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森ビル 今年はオンラインで開催「ヒルズ街育プロジェクト」

2020.09.28 13:48

 「体験」をテーマとした催しやイベントは、コロナの影響で仕組みそのものを変えることとなった。その際に用いられるのが自宅でも閲覧できる「オンライン」での配信だ。更に森ビル(東京都港区)は、体験用のキットを参加者に送付。一緒に学ぶ形式のツアー学習を行った。

体験が見どころのツアー学習を実施
 森ビルは13日、9月の防災月間に合わせて、オンラインプログラム「震災対策を学ぼう!安全と安心のヒミツ探検ツアー」を開催。毎年開催する「ヒルズ街育プロジェクト」初のオンライン配信となり、参加者は森ビルが取り組む防災と街づくりについて知識を深めた。
 同社の「ヒルズ街育プロジェクト」は、これまで「六本木ヒルズ 森タワー」や「虎ノ門ヒルズ 森タワー」をはじめとする同社が運営する街に参加者を集め、実地体験を見どころとしたツアー学習等を開催してきた。2007年から行う同プロジェクトは、今年で14年目。参加者は近隣の港区在住の親子をはじめ、その他の地域で暮らす親子からも幅広く参加申し込みが寄せられている。子供目線でのツアー学習でありながら、一緒に参加した親からも新たな発見や知識に繋がると好評。リピーターも多いことから、参加者の満足度の高さもうかがえる。
学習キットを活用 解説を聞いて学ぶ
 今年の「ヒルズ街育プロジェクト」は、新型コロナウイルスの感染を考慮しオンラインで開催。小学校5・6年生の親子を対象に41組82名が参加。子供たちは自宅からZoomを利用して聴講し、事前に参加者の自宅へ送付した備蓄・防災製品やワークショップ用の教材が入った学習キットを活用して、同社社員の解説を聞きながら自宅で体験学習を行った。ツアーの内容は大きく3つ。安全・安心な「街のヒミツを学ぶ」、「建物のヒミツを学ぶ」、「備えのヒミツを学ぶ」で、オリジナルの模型を使用した街づくりレクチャーや実験教材「紙ぶるる」及び「ヒミツの備蓄キット」を使ったワークショップを実施。子供達からは積極的に質問やメッセージ等がチャットボックスにアップされ、同社も回答することで疑問点に答えつつコミュニケーションも深めた。
 運営担当の広報室・田部麗氏は「『六本木ヒルズ』の制振装置や防災備蓄についてクイズを出しつつ、キットを活用したワークショップにより、五感をフルに活用した体験学習となりました。これまでは実際の街を舞台にした体験ツアーということで参加者は都内在住の方がほとんどでしたが、今回はオンライン配信のため遠方からの参加も可能で、静岡から申し込まれた親子もおります」と手応えと新たな発見についても語った。
 また参加者の保護者からは「前回のツアー参加を経て、今回も申し込みました。防災意識が高まり、とても有意義なツアーでした」や「建物の揺れを知るためのキット『紙ぶるる』での実験が本格的で面白かったです」など反響も良かった。今後も「ヒルズ街育プロジェクト」にオンラインを活用していくのかは現在検討中だが、今回の実施内容をベースに生かしていく方針だ。

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